【名探偵コナン】異世界の訪問者49《男主》

2570話 黒鉄の魚影 ページ21

「最新技術を日本の警察にだけ公開するなんて、不公平じゃないか！」


理由を聞いてもこのレオンハルトという男は不満らしい。


日本が嫌いなのか…？




「日本はインターポールの加盟国だ。必要があれば技術を提供するのは当然だ」

「ここのトップが日本人だから、日本贔屓ってわけか」

「いい加減にして。それを言うなら、私だって半分日本人よ」


直美さんが立ち上がり、レオンハルトに抗議したが、彼はハッと鼻で笑うだけ。




「どうりでいけ好かない女だと思った」

「…今の言葉は撤回しなさい。人種差別よ！それに貴方――」

「あのさぁ、そろそろ時間じゃない？」


2人の口論を止めたのはエドと紹介された男性だった。




「あっ」


彼に言われて腕時計で時間を確認した牧野局長はすぐに指示を出し始めた。





「総員、配置につけ！」


その指示に、直美さんは渋々椅子に座り直した。





「…すみません。レオンハルトはここに来るまで、ヨーロッパ各国の警察といろいろあったらしくて…」



日本が嫌いというより、警察が嫌いってことか。


自分も国際警察なのに、一体何があったんだろう。









まもなく10時だ。


その時間に、さっき言っていたようにヨーロッパ中の防犯カメラと繋がるんだろう。





「ファーストアクセス！」



牧野局長の合図で職員たちがカタカタとキーボードを叩き始める。




そして10時。

モニターには“CONNECT”の文字が表示された。




次々とモニターに監視カメラの映像が先ほどよりも多く映し出されていく。





「これでヨーロッパ中の防犯カメラが確認できるというわけですか」

「それも、顔認証付きでな」



世界中のどこにいても、監視されているということだ。








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