【名探偵コナン】異世界の訪問者49《男主》

2568話 黒鉄の魚影 ページ19

「実は施設の大半は海中にあるんです。バラストタンクで浮き沈みする仕組みで、波の力をコントロールしています。海中にあるのは、膨大な量のサーバーを冷やすためでもあります」


入口から施設内に入り、牧野局長が説明しながら中へと進んでいく。


ガラス張りのエレベーターを下って行くと、吹き抜けの施設の巨大さがよく分かる。



「メインルームはこの下になります」

「ねぇ、あれは？」


ガラスの壁に張り付いて外を見ていたコナンが、施設を囲むように設置されている巨大なリングを指さす。




「ああ、潮の流れで発電するリングよ。この辺りは黒潮が強くてね」





エレベーターが到着し、扉が開く。



「この階は、スタッフ用の居住エリアにもなっています。メインルームは通路の先です」


居住エリアには多くの職員が行き来していた。


この施設に通うだけでも大変だろうから、多くの職員はここに住み、あまり外に出ることはないんだろう。


通路を歩いていると、甲高い鳴き声が館内に響き渡った。





「ん？これは…？」

「クジラの鳴き声です」

「ザトウクジラは歌うクジラですから」

「ソナーが探知したの？」

「すごい！コナンくんって物知りなのね！」



子供らしからぬ質問をするコナンだったが、直美さんに褒められて嬉しそうだ。


いつまでこの子供の演技が続くのやら…。







「ご足労おかけしました。こちらがメインルームになります」



自動ドアが開いた先にあった光景に、思わず息を呑んだ。



中央に設置された巨大な360度モニター。
それを囲むようにして職員たちのデスクが並んでいるが、その設備も最先端。


とにかく広い空間に、白鳥警部もコナンも圧倒されていた。






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