2548話 灰原を狙うカメラ ページ49
男は毛利さんの隣のATMの前に立つと、持っていたジェラルミンケースを足元に置き、黒いカードを取り出した。
そして100万近い札束をATMから下ろし、数え始める。
「灰原さん、お金下ろさないんですか？」
「え、ああ…」
光彦に名前を呼ばれ、反応したのは哀だけではなかった。
「っ！…はい、ばら…？」
黒づくめの男は、サングラスの奥の瞳で哀を見下ろす。
とっさにコナンが哀を庇うように前に出た。
「あれ？あのおじさんのカード、真っ黒だよ？」
歩美が男が持っているカードを指摘すると、彼は慌てて銀行を出て行った。
「あ、ちょっと…！」
コナンもその後を追うが、銀行を出てすぐに足を止めたようだ。
だが、すぐに子供たちが息を巻いて、男を追って行ってしまった。
俺と哀も銀行を出て、立ち尽くすコナンに声をかける。
「貴方のせいよ。あの子たちの前であんな話するから」
『完全にあの男が国際ハッカーだと思い込んじゃったな』
「けどよ…」
コナンが言い訳をしようとしたとき、毛利さんが呼んでいたらしい銀行員の女性が中に駆け込んでいった。
「とりあえず、あの男の人を見つけねぇと」
歩き出したコナンの後を、哀と共について行く。
「貴方まであの人を国際ハッカーだと思ってるわけ？」
「じゃねーけど。あの人、お前の顔見て驚いてたろ？」
「え？まぁそんな感じもしたけど…、全然知らない人よ？」
「まさか、黒づくめの連中ってことはねぇよな？」
言いながら、コナンは俺を見上げた。
『…確かに服装は黒づくめだったけど…、そんな感じは…』
「私もそんな感じはしなかったけど…。貴方の思い過ごしじゃない？」
「とにかく、お前は帰った方がいい」
「気にしすぎよ」
「いいから」
コナンの真剣な眼差しに、哀は足を止めた。
「……うん」
「Aさん、灰原を送ってくれ」
『…いいけど、そっちは任せて大丈夫？』
「ああ。あいつらを見つけたら、すぐ帰るよ」
そう言って、コナンは走って行ってしまった。
「……ったく」
置いていかれたことに、哀は不服そうだ。
・
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096 - ソラさん» ありがとうございます！2人のやり取りを気に入っていただけて嬉しいです！ (2月11日 19時) (
レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - 明人さんと安室さんの会話が尊い！夢主の父親だと認識してる感がバシバシしててホッコリした！ (2月10日 20時) (レス) @page43 id: 4a3bab874f (このIDを非表示/違反報告)
096 - リト．さん» コメントと嬉しいお言葉ありがとうございます！面白いと言っていただけて嬉しいです！これからも頑張りますので、応援よろしくお願いします！！ (2月9日 19時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
リト． - とても面白くていつも見てます！これからも応援しています！！無理のない範囲で頑張って下さい！ (2月9日 2時) (レス) @page41 id: 744fa15293 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：096 | 作成日時：2023年12月26日 17時
