2533話 黒ずくめの謀略 ページ34
「やつら引き上げていくよ」
ライフルを下ろし、俺たちも撤退しようとギターケースにしまっていた時、背後から慌てたような声が聞こえてきた。
「おまわりさん!早く早く!あっちの方から銃声みたいな音が何度も…!」
真夜中でも人はいたようで、通報されていたようだ。
「行こう」
赤井さんもライフルをしまったギターケースを背負い、冷静に歩き出した。
「ん」
コナンが手を差し出してきたので、意図を察してその手を繋いだ。
反対では、赤井さんもコナンと手を繋いでいる。
「今回は全然釣れなかったね、お父さん、お兄ちゃん」
通報した男性と警察とすれ違った瞬間、コナンは子供っぽくそう言って俺たちを見上げた。
「まさかボウズとはな」
『次は逃がさないよう、頑張ろうか』
夜釣りに来た家族を装って、その場から立ち去った。
周囲に誰もいないことを確認し、キャメルの回収に向かう。
この時間の潮の流れ、そしてキャメルの残った体力を考えて、この辺りに上がってくるだろう場所を絞り気配を辿りながら向かうと、案の定力尽きて海岸にうちあがっている彼の姿があった。
「無事か。キャメル」
赤井さんが声をかけると、キャメルはホッとしたように破顔した。
「あ…赤井しゃん……」
キャメルはずぶ濡れに加え、顔や体中に土や砂が付き、服も血まみれで満身創痍だった。
「よく凌いだな」
『これで2度死んだ男になったな』
冷え切っているだろう彼に、途中自販機で勝った温かいお茶を差し出す。
「あ、ありがとう…」
それを受け取り、起き上がるキャメル。
「僕たちも帰ろう。みんな心配してるよ」
フラフラのキャメルを支えながら車に戻り、俺たちは工藤邸に戻ったのだった。
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096 - ソラさん» ありがとうございます!2人のやり取りを気に入っていただけて嬉しいです! (2月11日 19時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - 明人さんと安室さんの会話が尊い!夢主の父親だと認識してる感がバシバシしててホッコリした! (2月10日 20時) (レス) @page43 id: 4a3bab874f (このIDを非表示/違反報告)
096 - リト.さん» コメントと嬉しいお言葉ありがとうございます!面白いと言っていただけて嬉しいです!これからも頑張りますので、応援よろしくお願いします!! (2月9日 19時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
リト. - とても面白くていつも見てます!これからも応援しています!!無理のない範囲で頑張って下さい! (2月9日 2時) (レス) @page41 id: 744fa15293 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2023年12月26日 17時