2532話 黒ずくめの謀略 ページ33
『…ジンが手榴弾出した。海に投げて、浮かせるつもりだ』
水の中で爆発が起きた場合、近くにいる生命は圧力で肺や内臓が潰されて確実に死ぬ。
「…ああ。見えている。こっちは任せろ。Aは足止めを。当てなくていい」
『…分かった』
ジンが手榴弾のピンを外し、海へ向かって投げた。
その瞬間、赤井さんがトリガーを引く。
弾は手榴弾の小さな的を的確に捉え、やつらの上空で爆発が起こった。
さすがの腕前だ。
突然の爆発に驚いているジンたちの足元を狙い、俺もトリガーを引いた。
ジンの足元スレスレに俺の弾が着弾すると、彼らは狙撃に気付き、一歩引いてこちらを見た。
俺たちの存在はバレても、この距離じゃ顔までは見えないはずだ。
『こっちに気付いたよ。どうする?』
「問題ない」
赤井さんは短く言って、もう一発撃った。
弾はキールが被っていたキャップの鍔に着弾し、吹き飛ばした。
『怖いことするなぁ』
「キールがより怪しまれないための一発さ」
優しいんだかどうなんだか…。
だが、やつらの警戒を上げるには十分だったようだ。
こちらの狙撃の腕前を警戒し、やつらは身を守るためにしゃがみ込んだ。
「ちなみにだが、お前はこの距離、どこまで狙える?」
『さっきの足元が限界だよ。間違えればキールに当たる』
なんでついでに実力を見ようとしてるんだ…。
『それに、もう必要なさそう』
サイレンの音が聞こえ、消防艇の船が海猿島の消火活動を始めていた。
やつらもこれ以上長居はしないだろう。
予想通り、消防艇の船に気付いたやつらは駆け足で撤退していった。
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096 - ソラさん» ありがとうございます!2人のやり取りを気に入っていただけて嬉しいです! (2月11日 19時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - 明人さんと安室さんの会話が尊い!夢主の父親だと認識してる感がバシバシしててホッコリした! (2月10日 20時) (レス) @page43 id: 4a3bab874f (このIDを非表示/違反報告)
096 - リト.さん» コメントと嬉しいお言葉ありがとうございます!面白いと言っていただけて嬉しいです!これからも頑張りますので、応援よろしくお願いします!! (2月9日 19時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
リト. - とても面白くていつも見てます!これからも応援しています!!無理のない範囲で頑張って下さい! (2月9日 2時) (レス) @page41 id: 744fa15293 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2023年12月26日 17時