【名探偵コナン】異世界の訪問者48《男主》

2529話 黒ずくめの謀略 ページ30

《っ、やつら、床に落ちていたコーヒー豆を踏んで転倒したようです…っ！なんとか撒けました…ッ！》


息を切らしたキャメルの報告が入ってホッとした。




「コーヒー豆を床にバラまいたおかげで追撃を躱せたというわけか」

《まぁ実際は、袋を開けた際に飛び散ってしまったコーヒー豆なんですけど…。それで、この麻袋をどうするんです？》

「ああ、まずはカッターナイフで袋の底を切って開けるんだ。そして、その3つの底と口を粘着テープで繋いで長い筒にし、森の中の適当な窪みにその麻袋を敷いて、その上に袋が見えなくなるまで土や葉や枝を乗せたら麻袋の中に潜り込み、袋に穴を開け、そこからストローを出して呼吸が出来るようにすれば完了だ」

「土遁(どとん)の術だね！」


忍者が行うような身を隠す術だ。




「ああ。見つかりにくく、体温も維持できる。出来るか？キャメル」

《な、なんとか…》


キャメルが土に潜る準備をしている間、赤井さんは現状を工藤邸に残っているジェイムズさんたちに伝えた。





《――麻袋で土の中に？》

「海猿島のすべての地面を捜すとなると、かなりの時間を要する。夜が明け、海猿島のスタッフが来るまであと2時間。それまで凌ぎきれば…キャメルは助かるよ」


その報告に歓声が上がる。




《状況が変わったらまた連絡を》


ジョディがそう促して通話は切れた。





『…2時間』



ぽつりと呟くと、コナンがこちらを振り返り、バックミラー越しに赤井さんが視線を向けてきた。





『…あの組織の連中が、律儀に土を掘り返して捜すとは到底思えないけど。…もしも俺があっちの立場だとしたら…炙り出すよ。言葉の通り』


そう言うと、2人はハッと目を見開いた。





「……とりあえず、目的地はここだな」



考えながらも、目的地にたどり着いたので赤井さんは車を駐車場に入れた。






・

2530話 黒ずくめの謀略→←2528話 黒ずくめの謀略

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す