2525話 黒ずくめの謀略 ページ26
――…零さんも、海猿島に行ったんだろうか…。
だとしたら万が一銃撃戦になったとき……俺は彼に、照準を向けなければいけなくなるんだろうか…。
スマホを開き、零さんからのメッセージを見返す。
【誕生日おめでとう】
……もう、日付け越えたよ。
自分だって忘れていたし、こんなところにいるから、零さんだけを責められないけど…。
会えなくてもせめて…直接その声で聞きたかった。
俺たちには、また来年があるかも分からないのに。
「Aさん」
名前を呼ばれ、ハッとスマホから顔を上げた。
『どうしたの？』
助手席からこちらを見ていたコナンに動揺を隠しながらも応える。
「もう日付け変わって時間経っちゃったけど、昨日誕生日だったよね。バタバタしてて、伝えるの忘れてた。…お誕生日おめでとう」
「そういえば、そうだったな。おめでとう。大事な日だったのに、大事に巻き込んで悪かったな」
2人からの時間差のお祝いに、どう返せばいいか分からない。
大人になってから、年をとることなんてどうでもよくて、明人や涼に祝われても恥ずかしいだけで。
今思えば――…照れくさくて、恥ずかしかったんだ。
嬉しかったから。
『……ありがとう』
そう一言、返せばよかっただけなのに。
そう一言、俺の口で直接伝えたかった。
…いや。
あの人なら、次に会った時に言ってくれる。
だから俺も、返せばいいだけだ。
『…！』
再びスマホに目を落とすと、たくさん送られていたメッセージに気付く。
さっきは零さんからのメッセージを優先的に見ていて気付かなかったけど、哀や蘭、園子、快斗。
それに明人からも。
誕生日を祝うメッセージが昨日の日付けで送られていた。
あとでちゃんと返そう。
そのためには今、キャメルを無事に救出しなければ。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 330人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
096 - ソラさん» ありがとうございます！2人のやり取りを気に入っていただけて嬉しいです！ (2月11日 19時) (
レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - 明人さんと安室さんの会話が尊い！夢主の父親だと認識してる感がバシバシしててホッコリした！ (2月10日 20時) (レス) @page43 id: 4a3bab874f (このIDを非表示/違反報告)
096 - リト．さん» コメントと嬉しいお言葉ありがとうございます！面白いと言っていただけて嬉しいです！これからも頑張りますので、応援よろしくお願いします！！ (2月9日 19時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
リト． - とても面白くていつも見てます！これからも応援しています！！無理のない範囲で頑張って下さい！ (2月9日 2時) (レス) @page41 id: 744fa15293 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：096 | 作成日時：2023年12月26日 17時
