2501話 ページ2
「ようやく、何も気にせず自分の意思で生きていくんだな」
まるで、零さんもずっとそれを望んでいたかのような口ぶりだ。
もしかしたら今までずっと、気を遣わせてしまっていたのかもしれない。
俺は何もできない。
無力だと落ち込んでいる俺を見て、何と声をかけていいか悩ませてしまっていたのかもしれない。
『…今までごめん。…もちろん、言えないことはまだあるし、きっとこれからもある。でも、もう自分に嘘はつかない』
「……どんどんかっこよくなるな、Aは。…僕はAがAらしく生きていけるなら、それでいい。……でも、少し残念だ」
パクッと総菜のチキン南蛮を食べながら、零さんは肩を竦めた。
『何が…？』
「Aを変えたのが、僕じゃないってことが」
『零さんだって、ちゃんと俺を変えてくれた一人だよ。今回はタイミングがタイミングだったってだけで、ずいぶん前にも零さん言ってくれてたじゃん。“気にせず好きなように生きていい”って。でも、ずっと躊躇ってたのは俺だから』
組織が大きな動きを見せ始めた今、今後の自分の在り方について悩んでいたからこそ、哀の言葉が刺さった。
ずっと付いていたストッパーが外れた気分だ。
「でも、だからといって無理はするなよ。自分を犠牲にするようなやり方はなしだ。たとえ、助ける相手が僕だったとしてもだ」
『それはそのときの状況によるけど、…善処する。でも、もう絶対に自分はこの世界の人間じゃないなんて理由で、自分を犠牲にすることはしないよ』
そう宣言すると、零さんは安心したように微笑んでくれた。
「それにしても、このチキン南蛮美味いな」
『あ、俺も思ってた。デパ地下の総菜も悪くないね』
「この味…今度再現してみるか…」
チキン南蛮を味わいながら隠し味などを探り出した零さんに苦笑する。
いつも通り。
だけど、一歩踏み出した新しい日常が始まる。
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096 - ソラさん» ありがとうございます！2人のやり取りを気に入っていただけて嬉しいです！ (2月11日 19時) (
レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - 明人さんと安室さんの会話が尊い！夢主の父親だと認識してる感がバシバシしててホッコリした！ (2月10日 20時) (レス) @page43 id: 4a3bab874f (このIDを非表示/違反報告)
096 - リト．さん» コメントと嬉しいお言葉ありがとうございます！面白いと言っていただけて嬉しいです！これからも頑張りますので、応援よろしくお願いします！！ (2月9日 19時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
リト． - とても面白くていつも見てます！これからも応援しています！！無理のない範囲で頑張って下さい！ (2月9日 2時) (レス) @page41 id: 744fa15293 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：096 | 作成日時：2023年12月26日 17時
