2500話 ページ1
服を着て、ドライヤーで髪を乾かしリビングへ戻る。
『晩ご飯、おかずいろいろ買ってきた』
「ああ。ありがとう。米花デパートに行ったのか」
『まぁ、カフェでお茶したあと…いろいろ』
カフェで殺人事件があったことは、またあとで話そう。
『零さんも先にお風呂入る？』
「いや、お腹空いたから先に食べる。話っていうのも気になるし」
構えられると少し話しづらいが、今の勢いのまま話した方がいい。
『じゃあ、ご飯食べながら話す。これ、温めるね』
買ったおかずをレンジに入れて、炊き立ての米を茶碗に盛る。
「…一応心構えとして聞いておきたいんだが…、いい話？それとも悪い話か？」
別れ話でもされると思っているのか、どこか不安そうに聞いてくる零さん。
『んー…、どうだろう。俺にとってはいい話。でも、もしかしたら悪い話なのかも』
この選択がどう転ぶか、本当のところは分からないから。
でも、もう決めたことだ。
電子レンジがチンッと音を立てたので、おかずを取り出してご飯と一緒に机に並べる。
曖昧な俺の返答に眉を顰めたままの零さんが席についた。
『そんなに重い話じゃないからそんな顔しないでよ。俺の決意、聞いてくれる？』
「…うん」
いただきます、と手を合わせて食事も始める。
おかずと米を口に運び、少ししてから切り出した。
『俺、もうやめた』
「何を…？」
『この世界の均衡を気にするの』
「…！」
俺の言葉に零さんは箸を止めた。
「それは…どういうことだ…？」
『今まではこの世界の均衡を崩さないようにって、動くことを躊躇ってばかりだった。たくさんの人を見殺しにしてきた。…正直に言うと、零さんの命に危険が迫っても…“これが正しい道ならしょうがない”って割り切ってたと思う。…でも、もうやめる』
「………」
『俺の手が届く範囲の人は助ける。零さんや、俺の大事な人たちに危険が迫っていたら…俺は迷いなく助けに行く。…これが正しい選択なのか、きっとこの先も分からないけど…、もう、ここは俺が生きている世界で、この先歩むのも、俺の人生だから』
そう決意を伝えると、零さんは僅かに驚いたような瞳で俺を見つめたあと、ふっと笑みを浮かべた。
「…やっとか」
それだけ呟いた零さんに今度は俺が目を瞬かせた。
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096 - ソラさん» ありがとうございます！2人のやり取りを気に入っていただけて嬉しいです！ (2月11日 19時) (
レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - 明人さんと安室さんの会話が尊い！夢主の父親だと認識してる感がバシバシしててホッコリした！ (2月10日 20時) (レス) @page43 id: 4a3bab874f (このIDを非表示/違反報告)
096 - リト．さん» コメントと嬉しいお言葉ありがとうございます！面白いと言っていただけて嬉しいです！これからも頑張りますので、応援よろしくお願いします！！ (2月9日 19時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
リト． - とても面白くていつも見てます！これからも応援しています！！無理のない範囲で頑張って下さい！ (2月9日 2時) (レス) @page41 id: 744fa15293 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：096 | 作成日時：2023年12月26日 17時
