2420話 工藤優作の推理ショー ページ21
「すまないね、呼び出して」
優作さんに門を開けてもらい、工藤邸にお邪魔する。
『いえ…。というか、優作さんが呼び出したんですか?』
「赤井くんが、君にもいてもらいたいと言うんでね。あ、脱いだ靴はそのまま持って来てくれるかな」
『え、…はい』
何が何だか分からないまま、言われた通り脱いだ靴を持って優作さんの後をついて行く。
2階に上がり、角部屋に入るとそこには赤井さんに加え、ジョディとキャメルもいた。
『…なんか、厄介ごとに巻き込まれようとしてます?俺』
「逆だ。巻き込まないために、ここに呼んだ」
赤井さんの言葉にどういうことだ、と首を傾げる。
「お前のバイクが隣に停まっているのが見えてな。これから行うことに、介入して貰ったら困るんだ」
『…というと?』
詳細を求める俺に答えたのは優作さんだった。
「有希子が、最近誰かに監視されていると言い出してね。だったらここで一つ、目立つ行動を取ろうと思ったんだよ。それで私は、今夜8時からテレビの生放送に出ることにした」
『あ、解明されていない事件を生放送で推理するって…』
工藤優作の推理ショーが生で行われるって、数日前から話題になっていたな…。
「ああ。そしたら、怪しげなこのチラシがポストに入っていたんだ」
優作さんが取り出したのはイタリアンの店のチラシ。
「行ってみたら案の定、料理の味が少し変だったからあとで調べてみたら、ジスチグミン臭化物が料理に混入されていたことが分かったんだ」
『ジスチグミン臭化物…。摂取したら初期症状に悪心、嘔吐、腹痛、下痢、発汗などの食中毒症状が現れる…』
だが、目の前の優作さんはピンピンしている。
『食べたフリをしたんですか?』
「そのとおり。きっとこのあと、食中毒状態でテレビ番組どころではない私に変装し、こちらの様子を探ってくる人物が現れる」
『…その人物って…まさか…』
彼らの計画のターゲットが誰なのかを察し、赤井さんを見やった。
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作者名:096 | 作成日時:2023年11月3日 18時