2107話 ハロウィンの花嫁 ページ8
「マズいな」
松田さんが静かに呟いた。
「なんだ?」
「後ろにあるのは爆弾だ。ヘタに撃ったらドカンの可能性がある。あの大きさだと、このビルにいたらまずお陀仏だ」
ペストマスクの人物の後ろには、大きな透明なタンクが2つ置かれていた。
中にピンクと水色の液体が入っているのが見える。
2つのタンクにはチューブが繋がっており、その先は中央の別の小さなタンクへ向かっている。
おそらくだが、二液混合式の液体爆弾だ。
「止められるか?」
「止められないとでも?」
松田さんの爆弾解体の腕前は零さんも信頼している。
緊迫した状況下のやり取りの後、零さんは笑った。
「ふ…、頼んだよ」
松田さんなら絶対にできるという確信の笑み。
そのとき、ペストマスクの人物の右袖から拳銃が出てきた。
すぐこちらに銃口が向けられる。
「チッ!」
俺たちはそれに反応し、扉から顔を引っ込め床に伏せた。
躊躇いもなく4発。
続けざまに壁や床、転がっていた空き缶に銃弾が撃ち込まれた。
そしてすぐに逃げていく足音。
「っ…、待て!」
立ち上がった零さんが部屋に入るも、すでにそこはもぬけの殻。
俺も立ち上がり、部屋の中に入った。
「僕とAでヤツを追う。松田は早く爆弾を!」
「ああ。そっちこそ頼むぜ」
零さんは頷き、ヤツを追っていく。
俺もすぐにその後を続いた。
「自分の身は自分で守れるな?」
『もちろんそのつもり』
俺に出来ることはないけど、足手纏いになるわけにはいかない。
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096 - りりこスタイルさん» ありがとうございます!ハロ嫁編も楽しんでいただけると嬉しいです!頑張ります! (2023年1月21日 14時) (レス) id: e1a95a9e3f (このIDを非表示/違反報告)
りりこスタイル - ハロ嫁始まりましたね。楽しみにしてました!黒瀬くんがどう入るのか!楽しみにしてます。頑張ってください!! (2023年1月21日 10時) (レス) @page20 id: 73af74b72d (このIDを非表示/違反報告)
096 - フウマさん» ありがとうございます!黒瀬を加えたハロ嫁編、どうぞお楽しみください!更新頑張ります! (2023年1月19日 21時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
フウマ(プロフ) - ハロ嫁編、映画を2回見に行って犯人、わかっているのですが、それでもワクワクしちゃいます!更新頑張ってください! (2023年1月18日 23時) (レス) @page18 id: 7ebf4026aa (このIDを非表示/違反報告)
096 - ちるちるさん» 5回目!!?ありがとうございます!!そんなに読んでいただけるなんてとても嬉しいです!ハロ嫁編も楽しんで頂けるよう頑張ります! (2023年1月17日 13時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2023年1月1日 22時