2106話 ハロウィンの花嫁 ページ7
「先に下りてろ。警察に止められたら、この名刺を見せるんだ」
松田さんは懐から名刺を1枚取り出し、男に差し出した。
名刺を見て、首を傾げる男。
「Спускайтесъ первым. Если вас остановит полиция, покажите эту визитку.(先に下りてろ。警察に止められたら、その名刺を見せるんだ)」
零さんが流暢なロシア語で松田さんの言葉を翻訳した。
やっぱり話せるよな…零さんだし…。
男の両手を縛っていた縄が切れた時、隣の部屋からガタンッと物音が聞こえた。
続いて、カリカリという奇怪な音。
誰かが隣の扉の向こうにいるのは間違いないようだ。
「まだお客さんがいるみたいだな」
「Мне пора!(俺は逃げるぞ!)」
男は松田さんから名刺を取ると立ち上がり、一目散に部屋を出て階段を駆け下りていった。
零さんは懐から拳銃を取り出し、スライドを引いて扉へと近づいていく。
「さすが。なんでも持ってやがるな、公安は」
言いながら松田さんは立ち上がり、零さんの後に続く。
「黒瀬は?」
『今日は持ってない』
「なら、後ろにいろ」
現役時代なら欠かさず持ち歩いていた拳銃だが、今は所持品ゼロだ。
つまり俺に出来ることは見守ること。
あくまでも介入はするなということだろう。
松田さんと共に、扉の横の壁に背をつける。
零さんは扉の前に立ち、思いきり蹴破った。
「動くな!!」
部屋の中へ向け、拳銃を構える零さん。
俺と松田さんは中の様子を探ろうと、壁に半身を隠しながら中の様子を窺う。
薄暗い室内には、フードを被った人がいた。
その人物がゆっくりと振り返る。
『!』
ペストマスクを被った異様な人物。
普通の人間ではないことは第6感が封じられていても雰囲気で伝わってきた。
・
2107話 ハロウィンの花嫁→←2105話 ハロウィンの花嫁
421人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
096 - りりこスタイルさん» ありがとうございます!ハロ嫁編も楽しんでいただけると嬉しいです!頑張ります! (2023年1月21日 14時) (レス) id: e1a95a9e3f (このIDを非表示/違反報告)
りりこスタイル - ハロ嫁始まりましたね。楽しみにしてました!黒瀬くんがどう入るのか!楽しみにしてます。頑張ってください!! (2023年1月21日 10時) (レス) @page20 id: 73af74b72d (このIDを非表示/違反報告)
096 - フウマさん» ありがとうございます!黒瀬を加えたハロ嫁編、どうぞお楽しみください!更新頑張ります! (2023年1月19日 21時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
フウマ(プロフ) - ハロ嫁編、映画を2回見に行って犯人、わかっているのですが、それでもワクワクしちゃいます!更新頑張ってください! (2023年1月18日 23時) (レス) @page18 id: 7ebf4026aa (このIDを非表示/違反報告)
096 - ちるちるさん» 5回目!!?ありがとうございます!!そんなに読んでいただけるなんてとても嬉しいです!ハロ嫁編も楽しんで頂けるよう頑張ります! (2023年1月17日 13時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:096 | 作成日時:2023年1月1日 22時