2138話 ハロウィンの花嫁 ページ39
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コナンか風見さんと合流できれば、情報も得やすい。
どちらかと合流しようかと考え、渋谷の裏道をバイクで走っていると、少し先に見慣れた小学生の団体が見えた。
なんでこんなところに…、と考えながらも、彼らの横でバイクを止める。
『こんなところで何してんの?』
ヘルメットを外し、5人の子供――少年探偵団の面々に声をかけた。
子供たちが俺の名前を驚いたように各々の呼び方で口に出す。
「僕たち、おつかいでここに来たんです!」
『おつかい?』
地図のような紙を持っていた光彦の言葉に首を傾げる。
「うん!クリスティーヌさんのお友達が、渡したいものがあるんだって」
歩美がそう教えてくれるが、クリスティーヌさんって誰だ。
『渡したいものって…こんな場所にか?』
渋谷の繁華街から離れた裏路地だ。
人はほぼなく、密売が行われていてもおかしくない雰囲気の場所。
コナンと哀も一緒だから不安はないが、明らかに怪しい。
『…俺も行くよ。君たちだけじゃ心配だし』
「そう言って、俺たちの手柄取るんじゃねーぞ!?」
抗議する元太にやれやれと肩を竦めながら、バイクを路肩に停めて鍵をかけた。
「こっちですね」
光彦は人気のない裏路地へと入っていく。
「う〜ん…ここですね」
シャッターが閉まった廃ビルが並ぶ、薄暗い路地。
そのうちの1つの廃ビルが目的地のようだ。
「なんか思ってたのと違うな…」
「でも、間違いないですよ。ここの6階って」
人の気配はなし。
渡したいものは手渡しではないのか…。
『クリスティーヌさんって?』
廃ビルに入り込み、暗い階段を上りながら前を歩くコナンに尋ねた。
「ああ、ほら。この間、結婚式の警備訓練したろ?そのとき目暮警部が言ってた、村中元警視正の婚約者だよ。友人から今から渡したいものがあるって連絡が来たんだけど、司会との打ち合わせがあって手が離せなくて、たまたま近くにいたこいつらが代わりにって引き受けて…」
『なるほどね』
こんな場所に呼び出すのは普通ではないだろう。
村中夫妻には脅迫状が出ていると目暮警部が言っていた。
もしかしたら、これもその相手の罠…。
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096 - りりこスタイルさん» ありがとうございます!ハロ嫁編も楽しんでいただけると嬉しいです!頑張ります! (2023年1月21日 14時) (レス) id: e1a95a9e3f (このIDを非表示/違反報告)
りりこスタイル - ハロ嫁始まりましたね。楽しみにしてました!黒瀬くんがどう入るのか!楽しみにしてます。頑張ってください!! (2023年1月21日 10時) (レス) @page20 id: 73af74b72d (このIDを非表示/違反報告)
096 - フウマさん» ありがとうございます!黒瀬を加えたハロ嫁編、どうぞお楽しみください!更新頑張ります! (2023年1月19日 21時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
フウマ(プロフ) - ハロ嫁編、映画を2回見に行って犯人、わかっているのですが、それでもワクワクしちゃいます!更新頑張ってください! (2023年1月18日 23時) (レス) @page18 id: 7ebf4026aa (このIDを非表示/違反報告)
096 - ちるちるさん» 5回目!!?ありがとうございます!!そんなに読んでいただけるなんてとても嬉しいです!ハロ嫁編も楽しんで頂けるよう頑張ります! (2023年1月17日 13時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2023年1月1日 22時