2123話 ハロウィンの花嫁 ページ24
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翌日。
俺は警視庁にやってきていた。
今知っている情報を少しでも共有したいと早朝に風見さんに呼び出されたのだ。
「昨日…降谷さんと例の爆破犯を追ったんだ。だが、追い詰めた男の首に付けられた爆弾が爆発した。降谷さんが付けられたのと、同型の爆弾だ。自分はその爆発に巻き込まれて気を失ってしまって…。爆発で吹き飛ばされて立体駐車場から落ちそうになっていた自分を助けようとして降谷さんは…」
風見さんの体を支えて、手が離せないときに首輪爆弾を付けられた…。
『…それで、連続爆破犯の男は』
分かってはいるが念のため尋ねると、風見さんは首を横に振った。
『――零さんに爆弾を付けた人物は、爆破犯の脱獄に手を貸し、零さんを誘き出した。でも…どうしてその場で殺さず、わざわざ首輪爆弾なんて趣味の悪いものを付けて生かしているんだ…?』
「それは、自分にもよく…」
まだ他に、狙いがあるのか…?
「これが、3年前雑居ビルに仕掛けられていた爆弾だ。降谷さんの同期の松田刑事が爆発の阻止に成功している」
資料の写真には、例の液体爆弾の装置が写っていた。
夢で見たものと全く同じそれに、あの夢は寸分違わず現実のものだったと思い知る。
松田さんは、液体が混じり合う連結部分にガムを入れて阻止したが、今回零さんの首についた爆弾はそうはいかないのだろう。
ヤツも、どうやって阻止されたのか把握しているようだ。
零さんの首についた爆弾の液体連結部分の中には異物が入り込まないように棒が1本取りつけられていた。
同じ手は通用しない。
『ヤツの正体に見当がついてるって、零さんは言ってたけど』
「ああ。…だが、我々は教えられていないんだ。その情報はおそらく、上層部が握っている。降谷さんがヤツについての資料を要求しているが、なかなか腰を上げようとしなくて」
零さんが言っていたように上層部は正体を掴んでいるが、肝心のその情報が下りてきていない。
人の命がかかっているというのに、保守的な連中だ。
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096 - りりこスタイルさん» ありがとうございます!ハロ嫁編も楽しんでいただけると嬉しいです!頑張ります! (2023年1月21日 14時) (レス) id: e1a95a9e3f (このIDを非表示/違反報告)
りりこスタイル - ハロ嫁始まりましたね。楽しみにしてました!黒瀬くんがどう入るのか!楽しみにしてます。頑張ってください!! (2023年1月21日 10時) (レス) @page20 id: 73af74b72d (このIDを非表示/違反報告)
096 - フウマさん» ありがとうございます!黒瀬を加えたハロ嫁編、どうぞお楽しみください!更新頑張ります! (2023年1月19日 21時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
フウマ(プロフ) - ハロ嫁編、映画を2回見に行って犯人、わかっているのですが、それでもワクワクしちゃいます!更新頑張ってください! (2023年1月18日 23時) (レス) @page18 id: 7ebf4026aa (このIDを非表示/違反報告)
096 - ちるちるさん» 5回目!!?ありがとうございます!!そんなに読んでいただけるなんてとても嬉しいです!ハロ嫁編も楽しんで頂けるよう頑張ります! (2023年1月17日 13時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2023年1月1日 22時