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2120話 ハロウィンの花嫁 ページ21

『…公安が所有している倉庫。行き先は地下シェルターってところか。…俺に教えていいの?』


長い地下への降下中に話しかけると、2人は肩を震わせ互いに顔を見合わせた。




「……貴方には、教えて構わないと仰っていたので…」



間違いなく零さんの気配が近づいてきている。


彼は確実にこの下にいるのだろう。

俺にこの場所を教えるということは、彼はしばらくここに留まるということ。
そしてその間の出入りを俺に許したということだろう。





ようやくエレベーターが止まり、扉が開いた。


広い地下空間は殺風景だった。




その部屋の中心に降谷零はいた。




彼を囲むようなガラスの箱が俺たちの間を隔てている。


目が合うと、零さんは傍らにあった黒電話の受話器を持ち上げ、ダイヤルを回した。


すると、柱に設置してあった固定電話が鳴り出す。


電話の方へ歩み寄り、俺の腰ほどの低い位置に設置されていた受話器を持ち上げ、耳に当てた。






『…いろいろ聞きたいことはあるんだけど、まず…その首についた物は何?』


ここに来て一番最初に目を引いたのは、零さんの首についた、首輪のような機械。

左右にはピンクと水色の液体が入っているようだ。


記憶に新しいその配色に、僅かに眉を寄せる。




《残念ながら、爆弾だ》


玉座のような豪勢な椅子に腰かけながら、零さんは肩を竦めた。





『例の爆弾犯に付けられたの?』

《いや、ヤツは僕を誘き出すための囮だった》


やはり爆弾犯は何者かの手引きによって脱獄し、零さんはまんまとその者の罠に嵌ったということか…。






『…このガラス、特殊強化ガラスだよね。もしものときは1人で死ぬつもり?』



俺の問いに零さんは答えずに目だけを伏せた。


俺と零さんを隔てているこのガラスは、おそらくある程度の爆発には耐えられる特別製。
電波も遮断するため、こうしてコードを引っ張って電話を繋いでいるんだろう。




零さんの首についた爆弾が爆発しても、地上に被害は及ばず、誰も気づくことはない。







2121話 ハロウィンの花嫁→←2119話 ハロウィンの花嫁



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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 男主   
作品ジャンル:アニメ
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096 - りりこスタイルさん» ありがとうございます!ハロ嫁編も楽しんでいただけると嬉しいです!頑張ります! (2023年1月21日 14時) (レス) id: e1a95a9e3f (このIDを非表示/違反報告)
りりこスタイル - ハロ嫁始まりましたね。楽しみにしてました!黒瀬くんがどう入るのか!楽しみにしてます。頑張ってください!! (2023年1月21日 10時) (レス) @page20 id: 73af74b72d (このIDを非表示/違反報告)
096 - フウマさん» ありがとうございます!黒瀬を加えたハロ嫁編、どうぞお楽しみください!更新頑張ります! (2023年1月19日 21時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
フウマ(プロフ) - ハロ嫁編、映画を2回見に行って犯人、わかっているのですが、それでもワクワクしちゃいます!更新頑張ってください! (2023年1月18日 23時) (レス) @page18 id: 7ebf4026aa (このIDを非表示/違反報告)
096 - ちるちるさん» 5回目!!?ありがとうございます!!そんなに読んでいただけるなんてとても嬉しいです!ハロ嫁編も楽しんで頂けるよう頑張ります! (2023年1月17日 13時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:096 | 作成日時:2023年1月1日 22時

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