2054話 世紀末の魔術師 ページ5
「あれ?夏美さんの瞳って…」
この単語が絶対に後キーワードになるだろうが、そんなことを知る由もないコナンは香坂さんの瞳を覗き込んだ。
「そう。灰色なのよ。母も祖母も同じ色で、多分曾祖母の色を受け継いだんだと思う」
「そういえば、青蘭さんの瞳も灰色じゃない?」
俺が先ほどのロシア語で悶々としている間にも瞳の色談議が盛り上がっていく。
俺がこのロシア語に気付いたとしても、答えは言えないんだけど。
「ほんとだ!中国の人も灰色なのかな」
「青蘭さんって、“青い蘭”って書くんですよね?私の名前も蘭なんです」
「“セイラン”は日本語読みで、ほんとは“チンラン”といいます。青が“チン”、蘭は“ラン”、浦思は“プース”でプースチンランです」
「蘭は中国読みでも“ラン”なんですね」
「そうです。毛利は“マオリ”」
「じゃあ私の名前は“マオリラン”か。ふふ、なんか可愛くていいな」
次いで園子が「私はー?」と青蘭さんに尋ね、鈴木園子の中国の難しい発音に頭を悩ませていた。
「そういえば、Aさんは中国語は出来るの?」
突然のコナンからの話題振りに持っていたカップが音を立てた。
『え、あ、まぁ…それなりに…』
「えっ!そうなんですか!?他にはどこの国の言葉を話せるんですか!?」
隣に座っていた園子がキラキラした目で詰め寄ってきた。
『えっと…英語、中国語、ロシア語、イタリア語、韓国語、フランス語と…あとドイツ語も少しなら』
指折りながら述べていくと若干引き気味の空気を感じた。
『……なんで引いてるの』
「いや、だって…完璧すぎて怖いわ…」
『園子さんが聞いてきたのに…』
「お仕事は何をなさってるんですか?」
『探偵助手です。探偵に役立つかなって、語学を学んだんですよ』
香坂さんの質問にしれっと嘘をついた俺を、向かいのコナンが睨む。
「そっか、夏美さんパリにいたから知らないのね。黒瀬さん、少し前までドラマに出てたんですよ」
「歩くたびに囲まれちゃって…大変だったわ…」
なんで園子が自分のことのように語るんだ…。
「へぇ、俳優さんで探偵さん!かっこいいですね!」
『ありがとうございます』
素直な褒め言葉はこちらも素直に受け取っておく。
結局その後も他愛もない話をしながらお茶会は続いた。
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096 - 神楽さん» 続編のほうに続きますので、そちらでお楽しみください!また、リクエストありがとうございます!前向きに検討させていただきますのでお時間いただくと思いますがお待ちください! (2023年1月1日 21時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
神楽 - きたぁぁぁ!?!?ハロ嫁楽しみにしてます!!リクエストしたいです!!出来たらでいいので市川海老蔵さんの話を書いて欲しいです!!お願いします!!頑張ってください!! (2022年12月31日 21時) (レス) @page50 id: 17798d130b (このIDを非表示/違反報告)
096 - SINGさん» 迫るハロ嫁編もどうぞお楽しみに!更新頑張ります!! (2022年12月26日 21時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
SING - もうちょいでハロ嫁ですね!!男主君はどんな役回りするのか楽しみです!更新頑張って下さいヾ(・ω・*)ノ (2022年12月26日 9時) (レス) @page43 id: 48ea09d8f7 (このIDを非表示/違反報告)
096 - びぃちゃんさん» 読んでいただきありがとうございます!ハロウィンという単語が出てきましたね!楽しみにしていただけたら幸いです!これからも頑張ります!! (2022年12月25日 20時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2022年11月13日 20時