2079話 世紀末の魔術師 ページ30
「…ニコライ皇帝一家の写真です」
「そうか…。エッグの中の人形が見ていたのはただの本じゃなく、アルバム…」
「だから“メモリーズ・エッグ”だったってわけか…」
毛利さんの横でコナンが魅入るように写真を見上げながらポツリと呟く。
「もし、皇帝一家が殺害されずにこのエッグを手にしていたらこれほど素晴らしいプレゼントはなかったでしょう…」
セルゲイさんがしみじみと呟いた。
写真にはニコライ皇帝とその妻、アレクサンドラ皇后。
四皇女である、オリガ、タチアナ、マリア、アナスタシア。
そして末のアレクセイ皇子が写っている。
家族での集合写真であったり、成長する子供たちの姿を切り取ったものだったり…。
「まさに、世紀末の魔術師だったんですな。貴方のひいおじいさんは」
「それを聞いて、曽祖父も喜んでいることと思います」
毛利さんの言葉に、香坂さんも嬉しそうだ。
「ねぇ、夏美さん。あの写真、夏美さんのひいおじいさんじゃない?」
コナンが1枚の写真を指さした。
その先には、椅子に腰かけた2人の男女が写る写真があった。
「ほんとだわ。じゃあ一緒に写っているのは曾祖母ね…!…あれが、ひいおばあ様…。やっとお顔が見られた…」
香坂さんは瞳を揺らしながら、焼き付けるようにその写真を見上げていた。
「あの写真だけ日本で撮られたのですね。後から喜市様が加えられたんでしょう」
その隣で沢部さんもしみじみと呟く。
『………』
四方に映る写真を見渡していると、1枚の写真が目に留まった。
四皇女が並んで写っている写真。
その1番右に写っている女性が、香坂さんの曾祖母にそっくりだった。
そして香坂さんにも似ている。
――…【マリアというのは4人姉妹の中でも1番優しい子で大きな灰色の瞳をしていたそうです】
――…【マリアと皇太子の遺体だけは確認されてないんです】
セルゲイさんの言葉を思い出す。
もしかすると…、この世界のマリア・ニコラエヴナは…。
可能性を考えていると、エッグの光が収束されていく。
映し出されていた写真は消え、広間が暗くなった。
・
350人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
096 - 神楽さん» 続編のほうに続きますので、そちらでお楽しみください!また、リクエストありがとうございます!前向きに検討させていただきますのでお時間いただくと思いますがお待ちください! (2023年1月1日 21時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
神楽 - きたぁぁぁ!?!?ハロ嫁楽しみにしてます!!リクエストしたいです!!出来たらでいいので市川海老蔵さんの話を書いて欲しいです!!お願いします!!頑張ってください!! (2022年12月31日 21時) (レス) @page50 id: 17798d130b (このIDを非表示/違反報告)
096 - SINGさん» 迫るハロ嫁編もどうぞお楽しみに!更新頑張ります!! (2022年12月26日 21時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
SING - もうちょいでハロ嫁ですね!!男主君はどんな役回りするのか楽しみです!更新頑張って下さいヾ(・ω・*)ノ (2022年12月26日 9時) (レス) @page43 id: 48ea09d8f7 (このIDを非表示/違反報告)
096 - びぃちゃんさん» 読んでいただきありがとうございます!ハロウィンという単語が出てきましたね!楽しみにしていただけたら幸いです!これからも頑張ります!! (2022年12月25日 20時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:096 | 作成日時:2022年11月13日 20時