2070話 世紀末の魔術師 ページ21
「…こりゃ、一体…」
部屋の中には、壁に手を突っ込んだ乾さんがしゃがみ込んでいた。
その頭上には無数の剣が天井から鎖で垂れ下がっている。
どうやら、壁に飾られていた絵画の裏に隠し金庫があったらしい。
乾さんはその中にある宝石を盗もうと手を突っ込んだ途端、作動したトラップにより手首を拘束され、頭上から降り注いだ無数の剣をしゃがんで間一髪避けたようだった。
「80年前、喜市様が作られた防犯装置です。この城にはまだ他にもいくつか仕掛けがありますからご注意ください」
沢部さんは冷静にそう言ってポケットから鍵を取り出し、乾さんの手首にかかった手錠を外した。
「つまり、抜け駆けは禁止ってことですよ。乾さん」
白鳥警部が乾さんが持っていたリュックの中を物色し、そう言った。
リュックの中はやはりドリルやノコギリといった宝を奪うための工具だったようだ。
「道具は懐中電灯だけあれば十分でしょう?」
白鳥警部はそう言って、乾さんに懐中電灯だけ投げた。
よほど怖かったのか、乾さんは懲りたようだ。
それにしても、80年前にこんな防犯装置を作り出すとは。
喜市さんはよほどカラクリが好きだったんだろうな。
「ねぇ、このお城に地下室は?」
何か思い当たったのか、コナンが沢部さんに尋ねた。
「ありませんが」
「じゃあ1階にひいおじいさんの部屋は?」
「それでしたら、執務室がございます」
沢部さんの案内で1階に下り、執務室へ向かった。
「どうぞ。こちらには喜市様のお写真と当時の日常的な情景を撮影されたものが展示してあります」
説明の通り、たくさんの書物に加えて壁にはたくさんの写真が飾られていた。
「ねぇ夏美さん。ひいおばあさんの写真は?」
「それがね、1枚もないの。だから私、曾祖母の顔は知らないんだ」
曽祖父である喜市さんの写真はこんなにあるのに…曾祖母のものがないのはちょっとおかしい。
よほど照れ屋で、写真にはあまり写りたがらない人だったのか…?
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096 - 神楽さん» 続編のほうに続きますので、そちらでお楽しみください!また、リクエストありがとうございます!前向きに検討させていただきますのでお時間いただくと思いますがお待ちください! (2023年1月1日 21時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
神楽 - きたぁぁぁ!?!?ハロ嫁楽しみにしてます!!リクエストしたいです!!出来たらでいいので市川海老蔵さんの話を書いて欲しいです!!お願いします!!頑張ってください!! (2022年12月31日 21時) (レス) @page50 id: 17798d130b (このIDを非表示/違反報告)
096 - SINGさん» 迫るハロ嫁編もどうぞお楽しみに!更新頑張ります!! (2022年12月26日 21時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
SING - もうちょいでハロ嫁ですね!!男主君はどんな役回りするのか楽しみです!更新頑張って下さいヾ(・ω・*)ノ (2022年12月26日 9時) (レス) @page43 id: 48ea09d8f7 (このIDを非表示/違反報告)
096 - びぃちゃんさん» 読んでいただきありがとうございます!ハロウィンという単語が出てきましたね!楽しみにしていただけたら幸いです!これからも頑張ります!! (2022年12月25日 20時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2022年11月13日 20時