【名探偵コナン】異世界の訪問者33《男主》

1749話 ページ50

他の出演者は出番だったりスタンバイだったり、ロビーに集まって他の出演者のステージを見たりで出払っていて、楽屋でコナンと2人きりになる。





「伝説の俳優、一夜限りの復活ってか」

『こんなことになるとは思ってなかったけどな。…それで？何か用？蘭姉ちゃんが心配するんじゃない？』

「蘭にはAさんに会ってくるって言ってあるよ。それより…あのハンググライダーは何？」


…やっぱりそのことか。


こいつの目は誤魔化せないか。
アレが本物のキッドの私物だということを。






「キッドと会ってたの？」

『たまたま近くで遭遇したから、ちょっと借りただけ。おかげで挟み撃ちできただろ？』

「で、スタッフに変装したキッド本人、またはその仲間がハンググライダーを回収したってことか」


俺の行動を見越してすぐに回収に来るあたり、寺井さんは優秀だ。
すべて快斗の指示かもしれないが。





「今さらキッドとの関係を追及したりはしねぇけど、関わるのは大概にしておけよ。あいつは国際指名手配犯だ。Aさんがあいつの仲間だと勘繰る人間もいるかもしれねぇんだから」

『心配してくれてるんだ』

「バーロー。シンガポールのときみたいに巻き込まれるのはごめんなんだよ」

『…大丈夫だよ。あいつとの線引きはしっかりしてるから』



俺も、快斗も。
どこまでが巻き込んでいい案件か、互いに理解している。







「……なら、いいけどよ」

「お待たせしました！何着か着てみてください！」



スタッフがスタイリストを引き連れて、抱えきれないほどの衣装を持って来た。





「じゃあA兄ちゃん、僕客席に戻ってるね！頑張って！」


すぐにまた猫を被り、コナンは楽屋を出て行った。








出番までまだ1時間以上ある。
それまでは着せ替え人形になるしかないようだ。










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