1745話 ページ46
グンッとレバーを引いて下降していく。
吹き抜けの天井から会場の中に入った。
天井に配置された足場のパイプを掴み、人ひとりがギリギリ立てる狭さの場所に着地した。
「な、なんだお前…!どこから…!?」
突然現れた俺にあからさまに動揺する男がいた。
俺が現れたことにより、コナンも男の後ろから姿を現し、挟み撃ちだ。
『殺害予告めいた脅迫状を出したのはお前だな?』
「な、なんでこの場所が…」
『舞台裏に何も仕掛けられた痕跡はない。会場の様子を眺められ、かつ、多くの人間に被害を与えられるのは上から。そう考えた矢先、上から殺気が漏れたからこうして来てみれば…開演したらここからステージに照明でも落とす算段だったか?』
「さ、殺気って…、そんな、勘みたいな曖昧な情報でここまで…!?」
『今までもそうやって仕事してきたんでね。動機は後で聞くとして、もうライブは始まる。お前の思惑もここまでだ。降りるぞ』
「っ!こんなとこまで来て何もせずに終われるかよ…!」
ここでヤツを言葉で追い込んで激情させるのは得策ではない。
男の背後のコナンと目を合わせる。
コナンは男に麻酔銃の照準を合わせた。
照明が消える。
開演の合図だ。
「っ…!」
そのタイミングで、男が手すりを乗り越えた――と、同時にコナンが放った麻酔針が男の腕に突き刺さる。
「やべ…!」
『!!』
麻酔によって気を失い、落下していく男を追って、俺も下へ飛び降りた。
「Aさん!」
ハンググライダーを展開させ、男の手を掴み、引き寄せる。
『っ…!』
パッとついた照明に目が眩んだ。
開演に沸き立つ観客たちの歓声の中に、徐々にざわざわとした困惑が広がり始める。
その困惑の正体は紛れもなく、観客たちの頭上をハンググライダーで飛んでいる俺への物だろう。
これはもう仕方がないと、備えていたプランに移行するため、ステージのセンターに降り立った。
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096 - つみさん» 一気読みありがとうございました!そしてお疲れ様です…!!もう一周…!嬉しいです!これからも頑張ります! (2022年1月1日 22時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
つみ(プロフ) - やっと最新話まで読めました!一気読み楽しかったです!もう一周してきますね!更新頑張ってください! (2021年12月31日 23時) (レス) id: 5c8f437fce (このIDを非表示/違反報告)
096 - ??さん» ありがとうございます…!何周もしていただいて嬉しいです…っ!これからもいろんなお話を書いていきますので、よろしくお願いします!! (2021年12月13日 22時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
??(プロフ) - 今まで出会った小説の中で1番好きでもう何周もしています。何回読んでも泣ける素敵なお話で大好きです!緋色の弾丸や次の映画がこの小説にも登場するのが楽しみです!!これからも応援しています。 (2021年12月13日 11時) (レス) id: b0630737aa (このIDを非表示/違反報告)
096 - 伶さん» 初めまして!見つけて読んでくださり、さらには日課にしていただきありがとうございます!頑張って毎日更新してますので、これからもよろしくお願いします! (2021年12月10日 21時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2021年11月16日 22時