1714話 キッドVS高明 狙われた唇 ページ15
呆れていると、短い悲鳴が背後から聞こえた。
振り返ると、和葉の服がジュースでべったりと濡れている。
その傍らには金髪の外国人女性。
はしゃいでいた和葉がぶつかってしまい、外国人女性が持っていたジュースがかかってしまったんだろうけど…あの女性…。
なるほど…、今回は和葉に…。
「あ〜、コーラで服がベトベトや〜!」
「Sorry!ごめんなサ〜イ!」
「ここって、飲み物持ち込み禁止ですよ」
「ワタシ、日本語読めまセン…」
英語でも書いてあるんだがな…。
その矛盾にコナンも気づいたようで、ジトっと外国人女性を見つめている。
これは…バレてるな。
それでも何も指摘しないとなると、コナンは今回見逃すつもりなのか…。
「これ、さっき買った服、お詫びにプレゼントしマ〜ス!」
「えーよえーよ!」
断る和葉だったが、外国人女性は問答無用で紙袋に入っていた服を押し付けた。
「ううん、どうぞ!それじゃ、ごめんなさいでしたネー!」
そう言って足早に去って行く女性。
彼女の去り際、一瞬目が合った。
合図のようだ。
「あれ、これって今年流行るって雑誌に載ってたブランドのワンピだ」
「ホンマ?」
「せっかくだからお言葉に甘えちゃえば?」
蘭の勧めで、渋っていた和葉も服を受け取ることにしたようだ。
女性もののブランドを熟知して用意するって…ほんと、周到だな…。
「ほんなら、トイレで着替えてくるわ」
『あ、俺もトイレ行ってきます。先に戻ってて』
「分かりました」
蘭とコナン、服部を残し、和葉と共にトイレに向かう。
『災難だったね、和葉ちゃん』
「ホンマやで…。でも、ブランドのワンピを貰えるなんてラッキーやったけどな」
『着替え、終わるの待ってようか?』
「ええって!時間かかるし、黒瀬さんは先に戻ってて!」
『そ?じゃあ、またあとで』
トイレに辿り着き、女子トイレに入っていく和葉を見送る。
『…ごめんね』
その背中に小さく謝罪した。
・
1715話 キッドVS高明 狙われた唇→←1713話 キッドVS高明 狙われた唇
466人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
096 - つみさん» 一気読みありがとうございました!そしてお疲れ様です…!!もう一周…!嬉しいです!これからも頑張ります! (2022年1月1日 22時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
つみ(プロフ) - やっと最新話まで読めました!一気読み楽しかったです!もう一周してきますね!更新頑張ってください! (2021年12月31日 23時) (レス) id: 5c8f437fce (このIDを非表示/違反報告)
096 - ??さん» ありがとうございます…!何周もしていただいて嬉しいです…っ!これからもいろんなお話を書いていきますので、よろしくお願いします!! (2021年12月13日 22時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
??(プロフ) - 今まで出会った小説の中で1番好きでもう何周もしています。何回読んでも泣ける素敵なお話で大好きです!緋色の弾丸や次の映画がこの小説にも登場するのが楽しみです!!これからも応援しています。 (2021年12月13日 11時) (レス) id: b0630737aa (このIDを非表示/違反報告)
096 - 伶さん» 初めまして!見つけて読んでくださり、さらには日課にしていただきありがとうございます!頑張って毎日更新してますので、これからもよろしくお願いします! (2021年12月10日 21時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:096 | 作成日時:2021年11月16日 22時