1704話 ページ5
「…どうかされました?」
ジッと顔を見ていたら、怪訝な表情をされてしまった。
『い、いえ、誰かに似ていた気がして…』
「そうですか。…私も、貴方に見覚えがあります。少し前に有名だった方では?」
『ああ、まぁ…ちょっとだけ』
「確か…、黒瀬Aさん。私の同僚が、貴方のファンでして」
『そうなんですね、ありがとうございます』
「ああ、すみません。急いでいるんですよね。よろしければこれ、目的地までお持ちしましょうか?」
そう言って男性は俺が落とした氷の袋についた砂を、自身が取り出したハンカチで拭った。
『あっ、すみません…!ハンカチ汚してしまって…!運ぶのは大丈夫です!もうすぐそこなので…!あ、でも、申し訳ないんですが、ここに挟んでくれません…?』
元々氷の袋を挟んでいた左の脇をくいっと上げて空間を作る。
「…ええ。構いませんよ」
クスっと笑った後、男性は袋を挟み込ませてくれた。
「それでは、私はこれで」
『はい。ありがとうございました…!』
ペコっと頭を下げて、去って行く男性の背中を見送る。
やけにいい声だった…。
それに…、どこかで…。
もしかしたら、近々また再会するかもしれないな…という直感を抱きながら、ポアロへの帰路を急いだのだった。
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096 - つみさん» 一気読みありがとうございました!そしてお疲れ様です…!!もう一周…!嬉しいです!これからも頑張ります! (2022年1月1日 22時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
つみ(プロフ) - やっと最新話まで読めました!一気読み楽しかったです!もう一周してきますね!更新頑張ってください! (2021年12月31日 23時) (レス) id: 5c8f437fce (このIDを非表示/違反報告)
096 - ??さん» ありがとうございます…!何周もしていただいて嬉しいです…っ!これからもいろんなお話を書いていきますので、よろしくお願いします!! (2021年12月13日 22時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
??(プロフ) - 今まで出会った小説の中で1番好きでもう何周もしています。何回読んでも泣ける素敵なお話で大好きです!緋色の弾丸や次の映画がこの小説にも登場するのが楽しみです!!これからも応援しています。 (2021年12月13日 11時) (レス) id: b0630737aa (このIDを非表示/違反報告)
096 - 伶さん» 初めまして!見つけて読んでくださり、さらには日課にしていただきありがとうございます!頑張って毎日更新してますので、これからもよろしくお願いします! (2021年12月10日 21時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2021年11月16日 22時