1729話 キッドVS高明 狙われた唇 ページ30
「オメーも気づいてたのか。あの宝石ブローカーが怪しいって」
推理を披露して戻ってきた服部にコナンが声をかける。
「ああ。こっちの方はすぐに偽物やと分かったわ」
「“こっちの方は”ってどういうことなん?」
ドヤ顔だった服部だったが、背後からかけられた声に表情を変えた。
「まさか平次、キッドがあたしに変装してたって気づいてなかったんとちゃう?」
蘭が迎えに行った和葉が、ジュースで汚れた服のまま戻ってきた。
「あ、あほ!すぐに気ぃ付いてたけど、泳がせとったんや!」
「ほんなら言うてみ!?どこが違っとったか!」
「せ、せやからぁ…」
タジタジになる服部だったが、すぐに言い訳を思いついたようだ。
「あ、青ノリや!偽物の和葉の歯には青ノリついてへんかったし!」
「えっ!?蘭ちゃん、やっぱり青ノリや!」
口を押えて蘭に泣きつく和葉。
『0点』
「だな」
服部の対応に呆れて最低点数を付けると、コナンも頷いた。
この2人はまだまだ進展しなさそうだな…。
「そ、それよりあの泥棒、どこに行ったんやろな?」
『…宝石の持ち主に疑いを持って犯行を早めたんだろうから、今頃は本当の持ち主にあの宝石を返しに行ってるだろ』
今回はその動機に賛成だったから、俺もいろいろ見て見ぬフリをしたわけだし。
そしてそれはコナンも、諸伏警部も同じだろう。
ちらりと諸伏警部を見やると目が合った。
彼は小さく頭を下げ、その場を去って行く。
『…今度こそ、帰ろうか』
もうすぐ夜も明ける。
零さんは今頃ぐっすり眠れているだろうか…。
多忙な彼のことを想いながら、各々タクシーで帰宅の途についた。
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096 - つみさん» 一気読みありがとうございました!そしてお疲れ様です…!!もう一周…!嬉しいです!これからも頑張ります! (2022年1月1日 22時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
つみ(プロフ) - やっと最新話まで読めました!一気読み楽しかったです!もう一周してきますね!更新頑張ってください! (2021年12月31日 23時) (レス) id: 5c8f437fce (このIDを非表示/違反報告)
096 - ??さん» ありがとうございます…!何周もしていただいて嬉しいです…っ!これからもいろんなお話を書いていきますので、よろしくお願いします!! (2021年12月13日 22時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
??(プロフ) - 今まで出会った小説の中で1番好きでもう何周もしています。何回読んでも泣ける素敵なお話で大好きです!緋色の弾丸や次の映画がこの小説にも登場するのが楽しみです!!これからも応援しています。 (2021年12月13日 11時) (レス) id: b0630737aa (このIDを非表示/違反報告)
096 - 伶さん» 初めまして!見つけて読んでくださり、さらには日課にしていただきありがとうございます!頑張って毎日更新してますので、これからもよろしくお願いします! (2021年12月10日 21時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2021年11月16日 22時