【名探偵コナン】異世界の訪問者32《男主》

1559話 14番目の標的 ページ10

・




阿笠博士の病室に集まった毛利さん、蘭、そして白鳥警部に今回の事件の共通点を説明した。




「トランプ？」


持って来ていたトランプを取り出すと、毛利さんは首を傾げる。




『はい。犯人はトランプの絵札に合わせて犯行を行っているんですよ。最初に襲われた目暮警部。名前は“13”と書いて“十三”。だから、スペードのキング』


トランプの中からスペードのキングのカードを取り出した。




「なんでスペード…？」

『このスペードのキングが持ってる剣をよく見てください。現場に落ちていたものと酷似してます』



そう言ってカードを毛利さんに渡すと、彼はジッとカードを観察しだした。





『次に、妃弁護士。“妃”は英語で“Queen”。だからスペードのクイーン。持ってる花も、ジゴバと一緒に送られた紙製の花と似てます』

「あ、ほんと。同じだわ」


スペードのクイーンのカードを見ながら、蘭が声を上げた。




「しかし、阿笠博士と“11”というのは…？」

『博士の下の名前は博士(ひろし)。“士”は“十”と“一”の組み合わせ。だからスペードのジャック。ジャックが持ってるのは棍棒。そして現場に落ちていたものも…』


白鳥警部に渡した庭に落ちていた遺留品を見やる。




「…同じだ」


トランプと遺留品を交互に見て、毛利さんは呟いた。




「でも、どうしてトランプ？それもスペードなのかしら…」

『スペードには“死”という意味があるんです。ハートには“愛”。ダイヤには“お金”。クラブには“幸運”っていう意味が』

「じゃあ、犯人はトランプになぞらえて、名前に数字の入っている13から1までの人物を順に殺そうとしているのか？」

『その可能性が高いです。それも、毛利さんに関係のある人物を』



そう指摘すると、毛利さんの目の色が変わった。





博士を運ぶ救急車の中で、コナンと事件の推理のすり合わせをした。


俺とコナンの推理がほぼ一致していたことから、今回俺がこうして説明している。







「しかし一体誰が…」



だが、毛利さん自身も特に心当たりはないらしい。




「唯一の手掛かりであるバイクのナンバーは盗難車でした」



白鳥警部がそう報告した時、個室の扉が開き、いつものスーツと帽子を纏った目暮警部が入室した。








・

1560話 14番目の標的→←1558話 14番目の標的

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す