1555話 14番目の標的 ページ6
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毛利さんにかかってきた電話は、妃さんの秘書である栗山さんからのものだったらしく、彼女によると、妃さんは事務所に送られてきたチョコレートを食べた途端、喉を抑えて苦しみ、倒れたのだという。
間違いなくそのチョコに毒物が仕込まれていたんだろう。
病院に着くと、ちょうど処置が終わったタイミングのようだった。
「母は…」
「ご安心ください。すぐに胃の洗浄をしましたので、命に別状はありません」
処置をした医師の言葉に、蘭がホッと息を吐く。
「やはり毒物ですか?」
白鳥警部が医師に尋ねる。
「ええ。農薬系のものと思われます」
医師が答えた時、処置室の扉が開き、ストレッチャーに乗せられた妃さんが出てきた。
どうやら意識はあるらしい。
「お母さん…!」
蘭がすぐにそばに駆け寄る。
「蘭…。あなたも、来てくれたの…」
毛利さんに気付いて、妃さんは安堵の表情を見せた。
「念のため、今日1日は大事をとって入院したほうがいいでしょう」
「よろしくお願いします」
毛利さんが真剣な表情で頼む。
ここまで付き添ってきたらしい秘書の栗山さんと蘭は運ばれていく妃さんについて行った。
「それにしても警部に続いて英理まで…。これは偶然なのか…」
「ところで、チョコレートを食べた途端倒れたとか?」
「はい。事務所の郵便受けに入っていたそうです」
捜査に当たっていた刑事があるものを取り出すと、毛利さんの顔色が一変した。
「ジゴバだ!」
高級チョコレート菓子の紙袋。
それに…。
『この花…』
袋に一緒に入っていたのは白い花。
本物の花ではなく、紙で作られたようなその花には心当たりがある。
「まさか…同じ犯人…?」
その可能性は極めて高い。
いや、確実にそうなんだろう。
それにこの花も、どこかで見覚えがある。
目暮警部も妃さんも、命に別状がないとはいえ…、きっとまだこの殺人未遂事件は終わらない。
知っている人たちが狙われている。
組織の人間が、現場にものを残すようなことはしないだろうからそこは除外だが…。
「Aさん」
そう言って俺の袖を引くコナン。
捜査協力要請の合図だ。
それに頷いて、俺はコナンと共に阿笠博士の家に向かった。
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096 - ふぇおさん» こちらこそ、嬉しいお言葉ありがとうございます!寒暖差が激しいので、ふぇお様も体調にお気を付けくださいね。これからも応援よろしくお願いします! (2021年10月17日 23時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
ふぇお(プロフ) - いつも楽しみに読ませていただいてます!!!体調を崩さない程度に更新してくださいね、応援してます頑張ってください!!神作をありがとう!!! (2021年10月17日 0時) (レス) @page20 id: c548f35cab (このIDを非表示/違反報告)
096 - シオンさん» ありがとうございます!楽しんで頂けるよう頑張ります! (2021年10月3日 21時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - 096さん» 映画ストーリーは好きです、頑張って下さい (2021年10月2日 16時) (レス) @page6 id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
096 - シオンさん» ありがとうございます!! (2021年10月1日 23時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2021年9月28日 21時