1581話 14番目の標的 ページ32
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先ほどは閉まっていたワインセラーの扉を沢木さんがレジカウンターにある袋の中に入っていた鍵を使って開けた。
中に入って電気がつけられると、数えきれないほどのワインがたくさんの棚に入って並んでいた。
その光景に、みんな開いた口が塞がらないといった様子だ。
「壮観ですなぁ…!」
「涼しい…」
「いえ、暖かすぎるくらいですよ。温度は10度から14度ぐらいがワインを保存するのに理想的な条件なんですが…ここは17度と高すぎますね」
沢木さんの言う通り、設置されているメモリは17度を指していた。
淡々と言っている沢木さんだが、ソムリエとしてこの管理状況に不満があるのか、言葉の影に怒りのようなものを感じた気がした。
「うわぁ、警部見てください!希少ワインばかりです!“ロマネ・コンティ”、“ラ・ターシュ”、“ル・パリ”、“コート・ロティ”、“クロ・デュ・メニ”…!すごいですよ!」
一番興奮しているのは珍しく白鳥警部のようだ。
彼、こういうこだわり強そうだからなぁ…。
『それで、M−18の棚は?』
「こちらですね」
希少ワインに夢中になっている彼らをおいて、零さんとコナンと共に、沢木さんについて行く。
左右に並ぶワインを眺めながら歩いていると、視界の隅に一瞬何かが光った。
あ…、と思った瞬間には、コナンもそれに気づいたらしい。
「危ない!!」
コナンが叫んだと同時に、反射的に体が動いていた。
『ッ!』
一瞬――、左の二の腕に痛みが走る。
「A!」
「Aさん!」
零さんとコナンがすぐに俺の名を叫んだ。
『掠っただけ。大丈夫。沢木さんは大丈夫ですか?』
「え、ええ…。ありがとうございます」
とっさに沢木さんを庇ってしまったけど…、展開を変えてしまっていないだろうかと不安に陥った。
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096 - ふぇおさん» こちらこそ、嬉しいお言葉ありがとうございます!寒暖差が激しいので、ふぇお様も体調にお気を付けくださいね。これからも応援よろしくお願いします! (2021年10月17日 23時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
ふぇお(プロフ) - いつも楽しみに読ませていただいてます!!!体調を崩さない程度に更新してくださいね、応援してます頑張ってください!!神作をありがとう!!! (2021年10月17日 0時) (レス) @page20 id: c548f35cab (このIDを非表示/違反報告)
096 - シオンさん» ありがとうございます!楽しんで頂けるよう頑張ります! (2021年10月3日 21時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - 096さん» 映画ストーリーは好きです、頑張って下さい (2021年10月2日 16時) (レス) @page6 id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
096 - シオンさん» ありがとうございます!! (2021年10月1日 23時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2021年9月28日 21時