【名探偵コナン】異世界の訪問者32《男主》

1568話 14番目の標的 ページ19

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幸い誰も大きな怪我はなく、辻さんだけすぐに病院に運ばれた。




『辻さんは車やヘリに乗る前、必ず目薬を点す習慣があったみたい。でも、今回その目薬はビタミン剤から散瞳剤にすり替えられていた』

「散瞳剤…。仮性近視の治療などに使われる、瞳孔を開かせる薬か。それで太陽などの眩しい光を見て目が眩み、操縦不可能になった」

『でも、辻さんが点したのは紅彩炎っていう病気の治療用。仮性近視用の散瞳剤は点してから5分ほどで効き出して元に戻るのも早い。紅彩炎のは効き出すのに数十分。元に戻るのにも時間がかかる』

「個人差もあるが、10日から2週間、瞳孔が開いたまま…。…木曜からの全米オープンは、棄権するしかないだろうな」




博士が入院している米花中央病院のロビーのソファに座り、零さんと今回の辻さんの一件について話す。


コナンたちは博士の病室に向かったが、博士に付きっ切りの哀と零さんを会わせるわけにはいかない。

大勢で病室に押し掛けるのは迷惑だからロビーで待ってる、と言って今の状況だ。






『それにしても、犯人はどのタイミングで目薬をすり替えたんだろう』

「それについて、風見に指示して今朝からの辻さんの周囲を調べてもらった」




この短時間でまた風見さんを動かしてる…。








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