【名探偵コナン】異世界の訪問者32《男主》

1565話 14番目の標的 ページ16

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『…とりあえず東都空港に向かって』




追跡メガネの位置情報を確認すると、コナンが付けている探偵バッジのGPSは今のところは予定通り東都空港に向かっているようだ。


微かに、高所に怯える毛利さんの声も聞こえてくる。







「……お前はデートという単語の意味を一度調べるといい」



隣で車の運転をする零さんは少し不服そうだが。






『2人でドライブ。立派なデートだろ』

「僕はこの場合、追跡や捜査と呼ぶ」

『緊張感は持ってるよ。毛利さんの周囲が狙われている時点で、俺や零さんも無関係じゃない。村上は抑える。もし、他にも加害者がいるなら――』


殺人を止めることは俺にはできない。


だからせめて、守れる範囲の人たちは守りたい。

あの頃の無力な子供だった俺とは違う。

もう大事な家族は誰一人失わない。







そのとき、手に持っていた探偵バッジから、“米花町”という単語が聞こえた。


もしかしたら、と思い空を見上げる。





『あ』


上空をヘリが飛んでいるのが見えた。



ここからじゃ気配は遠くて分かりづらいが、あれにコナンたちが乗っている可能性が高い。





『零さん、あのヘリ追って』

「あれに毛利さんたちが？」

『多分だけど…』



言いかけた時、探偵バッジの向こうが騒がしくなる。






「おい、あれを見ろ！」



零さんが示した先を見ると、ふらついた飛行をするヘリコプターが見えた。








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