1595話 14番目の標的 ページ46
「しかし、どうして黒瀬くんは彼が味覚障害だと分かったんだ?」
『彼が調味料の味見をしているところを見たんですよ。彼が味見をしていたのは唐辛子の粉でした。ソムリエのように舌を使う仕事をする人は刺激物なんて口にしないでしょうから、もしかして…と思って』
「黒瀬にその話を聞いて、彼が味覚障害にかかっていることは私がコナンに持ってこさせたミネラルウォーターで確かめることが出来ました」
「ミネラルウォーター…?」
「コナンが貴方に渡したグラスにだけ、塩が入っていたんです」
やっぱりあのときの水に入れていたか。
塩が入っているなら普通気付いて眉を顰める。
でも、彼は普通に飲みきった。
その証言で、沢木さんは微かに笑った。
「確かに私は味覚障害にかかっています。でも、だからといって私が奈々さんを殺した証拠にはならないでしょう?」
言いながら、沢木さんは毛利さんに近づいていく。
「証拠ならあります。貴方の上着、左右どちらかのポケットに」
そう言われ、沢木さんは両方のポケットを探る。
そして取り出したものを見て、彼は顔色を変えた。
「それは奈々さんがいたずら描きしたコルク!」
「奈々さんが殺される直前まで手にしていたそのコルク。なぜ、貴方のポケットにあったのです?」
「そうか。貴方に後ろから刺された彼女が、振り返ってしがみ付いた際コルクがポケットに入り込んだんですね。その時にポケットに引っ掛かり、付け爪も外れてしまった」
さも、今分かりました!というように言う零さんだが、とっくに分かっていたんだろう。
「その通りだ。ソムリエの貴方がワインのコルクで犯行を証明されるなんて皮肉なもんですなぁ。さらに、もう1つおそらく貴方のポケットの中にまだ眠っているはずだ」
柱の後ろから、5枚のトランプのカードが投げられ、沢木さんの足元に落ちる。
「その柄と同じ、使い残したスペードのエースが…工藤新一のカードがね!」
この場に彼の名が出てきて、思わず零さんを盗み見る。
だが、彼は表情を変えずに沢木さんを見ていた。
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096 - ふぇおさん» こちらこそ、嬉しいお言葉ありがとうございます!寒暖差が激しいので、ふぇお様も体調にお気を付けくださいね。これからも応援よろしくお願いします! (2021年10月17日 23時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
ふぇお(プロフ) - いつも楽しみに読ませていただいてます!!!体調を崩さない程度に更新してくださいね、応援してます頑張ってください!!神作をありがとう!!! (2021年10月17日 0時) (レス) @page20 id: c548f35cab (このIDを非表示/違反報告)
096 - シオンさん» ありがとうございます!楽しんで頂けるよう頑張ります! (2021年10月3日 21時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - 096さん» 映画ストーリーは好きです、頑張って下さい (2021年10月2日 16時) (レス) @page6 id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
096 - シオンさん» ありがとうございます!! (2021年10月1日 23時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2021年9月28日 21時