1563話 14番目の標的 ページ14
車を停めてある駐車場へ向かう道すがら、事件の発端から今までの話を説明した。
「名前に数字がある人間、ね…。なら、お前は大丈夫か。黒瀬の中に“9”と“6”はあるが…」
『それじゃあただの語呂合わせだし。そんなん含めたら当てはまる人物はもっといる。それより心配なのは零さんだよ』
「僕?確かにゼロと書いて零だが、トランプにゼロはないだろ」
『カウントダウンかもしれないじゃん。最後のトドメに一番弟子を、とか』
まぁ、この人が毛利さんの一番弟子だと知っている人間は限られているからその可能性は限りなく低いし、本名を知っている人物もほぼいないだろうが、念には念を、とも言う。
「僕を襲ったところで、毛利さんにそれほどダメージはないだろ…」
『そんなことないって。だって前に毛利さん、“安室と黒瀬は弟子である前に息子みたいな存在だ”って言ってたし』
「…毛利さんが?」
突然零さんが足を止めた。
『…零さん?』
振り返ると、彼は困惑したような、驚いたような、何とも言えない表情をしていた。
「…息子、か」
そう声を漏らす零さんの口元はどこか緩んでいて――…。
喜んでいるんだな、と直感で思った。
零さんも、俺と同じで家族の愛に飢えているのでは、と以前から思っていた。
彼の家族のことは、まだ何も知らないけれど…今はまだそれでいい。
『零さん、帰ろう』
手を差し伸べると、柔らかく微笑んだ彼が手を重ねてくれる。
血は繋がっていなくても、家族以上に強い繋がりがある。
俺や零さんを息子だと言ってくれたお父さんのピンチだ。
俺も出来る限りのことをしようと心に決めた。
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096 - ふぇおさん» こちらこそ、嬉しいお言葉ありがとうございます!寒暖差が激しいので、ふぇお様も体調にお気を付けくださいね。これからも応援よろしくお願いします! (2021年10月17日 23時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
ふぇお(プロフ) - いつも楽しみに読ませていただいてます!!!体調を崩さない程度に更新してくださいね、応援してます頑張ってください!!神作をありがとう!!! (2021年10月17日 0時) (レス) @page20 id: c548f35cab (このIDを非表示/違反報告)
096 - シオンさん» ありがとうございます!楽しんで頂けるよう頑張ります! (2021年10月3日 21時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - 096さん» 映画ストーリーは好きです、頑張って下さい (2021年10月2日 16時) (レス) @page6 id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
096 - シオンさん» ありがとうございます!! (2021年10月1日 23時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2021年9月28日 21時