1084話 ページ35
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「えっ、警察が外で待機してる⁉」
控室で監督と2人きりになった俺は、事情の一切を明かした。
『はい。警察がいれば、犯人は手を出してこないと思って。このあとは何もなかったかのように撮影を再開させてください。どこかのタイミングで、俺が1人になって隙を見せます』
「で、でも…」
『こちら側があの脅迫状の要求を呑むことがないのは、向こうももう分かっているはずです。加えて、何事もなかったかのように撮影が再開されれば、確実に犯人の逆鱗に触れる。俺が隙を見せれば、すぐにでも行動に出るでしょう』
「君は大丈夫なのかい…？」
『これでも体術には自信がありますし、探偵助手として何度もこういう場面には出くわしているので』
「…はは、もう君が何を出来ても驚かないよ」
安心したのか、監督はようやくいつもの朗らかな表情で笑ってくれた。
『今の話、他の出演者やスタッフには内密にお願いします』
「わかったよ」
了承して控室を出ようとした監督に、1つだけ疑問に思ったことをぶつけてみた。
『…どうしてここまでされたのに、俺を役からおろそうとしなかったんですか？もしかしたら、ドラマ自体無くなってしまうかもしれなかったのに』
「…君を降板させるなんて選択は僕の中で1ミリもなかったよ。ヨツバを最後まで演じられるのは君しかいないと思ってるんだ。世間の評判もそうだけど、初めて君の芝居を見た時、感じたことのない衝撃を覚えたんだ。一目惚れに近いのかもね」
少し照れ臭そうに監督は笑う。
「だから、僕は君がヨツバを続投すると言ってくれなかったら、続きを撮るつもりはなかった。君は人の心を動かし、成長させてくれる才能がある」
人の心を動かして、成長させる…？
…俺が？
「前回の撮影のとき、まだ新人だった清水くんも、撮影が終わるころには見違えていた。君の傍にいることで、彼は多くを学んだんだと思う。だから今回氷上くんをキャスティングしたんだ。彼の芝居はもちろん注目されていた。しかし、人間的にまだまだのところがあった。それが今じゃ、すっかり遅刻も減って…何より楽しそうに芝居をするようになった。全部、君のおかげだと思っているよ」
俺には、まったくそんな意識はなかったけど…、でも……そうか。
俺も…誰かを変えることが出来ていたんだ。
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サラ(プロフ) - 泣きました。最高の作品をありがとうございます。これからも応援してます (5月25日 0時) (
レス) @page50 id: 5dcf9ec97c (このIDを非表示/違反報告)
侑(プロフ) - シロツメクサの話だいっすきです、！特に2、毎回見る度泣きます、！この話を思いついた096さん神だと思います(真顔)最高です、！ありがとうございます！！ (2022年3月15日 10時) (レス) @page50 id: 8afc6fd8a6 (このIDを非表示/違反報告)
096 - りりこスタイルさん» こちらこそ感動していただきありがとうございます…！これからも見守ってあげてください！ (2020年8月20日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
りりこスタイル - ヨツバの最後のセリフで泣いてしまいました。素敵なストーリーありがとうございます。これからも、黒瀬の幸せを願って見ていますね！ (2020年8月19日 22時) (レス) id: b80200442e (このIDを非表示/違反報告)
096 - 架印�靴気�» 妄想までしてくださってありがとうございます！（笑）ヨツバの最期、しっかり見届けてあげてください！妄想の感動が現実になっていればいいな…！と思っております！ (2020年8月18日 22時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：096 | 作成日時：2020年7月21日 22時
