1076話 ページ27
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《黒瀬Aさん。俺はAちゃんって呼んでるんスけど、あの人マジパネェっスよ》
撮影の休憩中、スタジオにあったモニターの中で、氷上が俺の名前を出した。
彼は今、ドラマの番宣のためにお昼のバラエティーに生出演している。
「あ、氷上さん、黒瀬さんの話してる。ほんとに好きですねー」
清水がお菓子をつまみながらモニターを見て笑う。
氷上と本音で話したあの日から、彼が過剰なスキンシップをしてくることはなくなった。
だが、未だにわんこののように俺を追い回してくるため追い払おうとするが、そのやりとりがまるでヨツバと蓮そのもののようだと、現場の密かな名物になりかけている。
《まぁ、前回のドラマを見てた人は分かると思うんスけど、演技力がマジ凄まじくて。俺も興奮してよく本番でアドリブ出しちゃうんスけど、それにもバッチリ合わせて来てくれるんで、ほんと尊敬してます！》
「氷上くんは、すっかり黒瀬くんに懐いてしまったみたいだねぇ」
監督もコーヒーを啜りながら微笑まし気に画面を見ている。
「それにしても…黒瀬くんは前作の撮影の時から、雰囲気が変わったね。まぁ、滅多にNGを出さない完璧なところは変わってないんだけど」
『いろいろあったんですよ、俺も』
「へぇ？でも、僕は今の君の方が好きかな。氷上くんと言い合いしているときなんか、とても活き活きしてるしね」
『別にそんなんじゃないですけど…。…少し、肩の荷が下りたというか』
シンガポールで快斗に言われたことが、大きなきっかけになるんだろうけど…。
「ま、仲良きことは美しきかな。最初の撮影の時はどうなることかと思ったけど、打ち解けてくれてよかったよかった」
監督の言葉に共演者やスタッフたちはうんうんと頷いている。
『なんか…すみません…』
俺は何も悪くないけど、申し訳なくなったので謝っておく。
「はは、気にしなくていいよ。あのままギクシャクされたちょっと困ってたけどね。さ、氷上くんが生放送終わって戻ってくる前に、他のシーンの撮影を終わらせちゃおうか」
監督の一声で休憩が終わり、撮影が再開される。
急ピッチで進められていた撮影も、残り半分だ。
始まれば、あっという間に終わっていく。
ヨツバの命も、もうすぐ終わるんだ。
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サラ(プロフ) - 泣きました。最高の作品をありがとうございます。これからも応援してます (5月25日 0時) (
レス) @page50 id: 5dcf9ec97c (このIDを非表示/違反報告)
侑(プロフ) - シロツメクサの話だいっすきです、！特に2、毎回見る度泣きます、！この話を思いついた096さん神だと思います(真顔)最高です、！ありがとうございます！！ (2022年3月15日 10時) (レス) @page50 id: 8afc6fd8a6 (このIDを非表示/違反報告)
096 - りりこスタイルさん» こちらこそ感動していただきありがとうございます…！これからも見守ってあげてください！ (2020年8月20日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
りりこスタイル - ヨツバの最後のセリフで泣いてしまいました。素敵なストーリーありがとうございます。これからも、黒瀬の幸せを願って見ていますね！ (2020年8月19日 22時) (レス) id: b80200442e (このIDを非表示/違反報告)
096 - 架印�靴気�» 妄想までしてくださってありがとうございます！（笑）ヨツバの最期、しっかり見届けてあげてください！妄想の感動が現実になっていればいいな…！と思っております！ (2020年8月18日 22時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：096 | 作成日時：2020年7月21日 22時
