1005話 ベイカー街の亡霊 ページ6
「でも、僕たち今は催眠状態なのに、そんな感じしませんね」
光彦の言う通り、肉体の感覚も五感もしっかりある。
ここまでリアルだとは思っていなかった。
まぁ…なんでもありな世界だしな…。
「夢みたい！自由に動き回れるなんて」
「その逆よ」
喜ぶ子供たちを哀がばっさりと切り捨てる。
「自由どころか、視覚、聴覚、臭覚、味覚、触覚。すべてコンピューターに支配されているのよ」
急に怖いことを言い出す哀に子供たちはちょっと引いていた。
でも、不自由なのは確かだ。
精神だけのこの状態じゃ、何が起きても不思議ではない。
最悪、この支配から解放してもらえず、肉体は植物状態…なんてこともありえなくはない。
《さぁ、コクーン初体験のみんな。ゲームの始まりだよ》
頭上に虹色の輪が現れ、さらに周りに5つの石門が現れた。
《僕の名前はノアズ・アーク。よろしくね》
…ノアズ・アーク…？
このゲームの案内係みたいなものだろうか。
周りの子供たちはすんなりと受け入れ、「よろしくー！」とノアズ・アークに挨拶を返している。
《今から5つのステージのデモ映像を流すから、自分が遊びたい世界を選んでほしい》
舞台は100年前のロンドンだけじゃないのか…。
《でも、1つだけ注意しておくよ。これは単純なテレビゲームじゃない。君たちの命がかかったゲームなんだ》
…俺たちの命？
急に物騒なことを言い出したノアズ・アークに眉を顰める。
《全員がゲームオーバーになっちゃうと、現実の世界には戻れなくなっちゃうんだ。だから真剣にゲームをしなきゃね》
ゲームを盛り上げるための大げさな表現じゃない。
どうやら、恐れていた事態が現実になってしまったようだ。
《たった一人でもゴールに辿り着ければ、君たちの勝ちだ。それまでの間にゲームオーバーになっちゃった子もみんな目覚めて、現実世界に帰ることができる。これが僕の決めたルール。理解してくれた？》
「…どういうこと？」
蘭が眉を顰めて戸惑いの表情を見せた。
現実世界でもこのノアズ・アークの声が聞こえていたとしたら、向こうも今頃大騒ぎになっているだろう。
・
1006話 ベイカー街の亡霊→←1004話 ベイカー街の亡霊
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 646人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
096 - はしもんさん» 蓮役のオリジナル新キャラが今回の章は鍵を握ってくるので、どうぞお楽しみに！ (2020年7月21日 21時) (
レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
はしもん(プロフ) - 1047、1048話更新お疲れ様です！ 新キャラの蓮さん…一体どんな方が演じるのでしょうか…、凄く楽しみです((o(｡>ω<｡)o)) (2020年7月20日 19時) (レス) id: 3a59eb0a02 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 架印�靴気�» マです！（笑）シロツメクサ2編もどうぞお楽しみに！ (2020年7月20日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
096 - ハルニサ(^∀^)さん» 復活です！楽しんでいってくださいね！ (2020年7月20日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
096 - はしもんさん» ありがとうございます！オリジナルも楽しんでください！ (2020年7月20日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：096 | 作成日時：2020年6月20日 13時
