1024話 ベイカー街の亡霊 ページ25
黒い馬と黒い馬車。
その馬車の中にひとりの男が座っていた。
「皆様をお連れしました」
「ご苦労。さてボウヤ、そのワインいただこう」
コナンは大人しく、ワインを御者の男に渡した。
「モラン大佐と互角にやり合うとは、さすがホームズの弟子たちだ。で、私に用かな？」
「…ねぇ、おじさんがモリアーティー教授？」
どうやらコナンも気づいていたらしい。
――馬車の中にいる男が、本物のモリアーティー教授ではないことに。
「いかにも」
「…あ、そっか。これって僕たちを試してるんだね」
「どういう意味かな？」
「もうお芝居はやめたら？おじさんはモリアーティー教授じゃないんでしょ？」
「な、何を言うの、コナンくん…」
「だって、本物のモリアーティー教授はここにいるもの」
戸惑う蘭の問いに、コナンが指さしたのは俺たちを案内していた御者の男だった。
「声はすべて、教授が腹話術で喋ってたんだよね」
コナンの指摘に、男は肩を揺らして笑う。
「そこまで見抜かれていたとは。…なぜわかった？」
帽子を取った本物のモリアーティー教授はコナンを見下ろす。
馬車に乗っていた偽物の教授に扮していたのが、本物の御者だったようだ。
「さっきモラン大佐が、おじさんに“お待ちください”って言ってたよ」
「そっか！モラン大佐が敬語を使うのはモリアーティー教授に対してだけね」
納得した蘭にコナンは頷く。
「それだけかね？」
「もうひとつ。モリアーティー教授は、天然ハーブ系のコロンを使う、オシャレな老人だって聞いてたんだ」
ワインを渡したときに、そのコロンの香りにも気づいていたのか。
「見事だ。まるでミニホームズを見ているようだ」
ホームズの宿敵からの誉め言葉にコナンは複雑な表情で笑みを浮かべた。
「ところで、私に何の用かね？」
「ジャック・ザ・リッパーって、ロンドンを恐怖の都に変えるため教授が街に放った人なんでしょ？」
直球に聞くなぁ…。
「当たらずとも遠からずだ。ジャック・ザ・リッパーは貧民街で拾った浮浪児だった。母親に捨てられて、路頭に迷っていた浮浪児だった。一目で才能を感じた。犯罪者としての才能をね。私が彼を一流の殺し屋に育て上げたんだよ」
このゲーム内ではそういう設定なのか。
実際は未だに正体は解明されていないし、モリアーティー教授と結びついている可能性も仮説の一つに過ぎない。
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096 - はしもんさん» 蓮役のオリジナル新キャラが今回の章は鍵を握ってくるので、どうぞお楽しみに！ (2020年7月21日 21時) (
レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
はしもん(プロフ) - 1047、1048話更新お疲れ様です！ 新キャラの蓮さん…一体どんな方が演じるのでしょうか…、凄く楽しみです((o(｡>ω<｡)o)) (2020年7月20日 19時) (レス) id: 3a59eb0a02 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 架印�靴気�» マです！（笑）シロツメクサ2編もどうぞお楽しみに！ (2020年7月20日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
096 - ハルニサ(^∀^)さん» 復活です！楽しんでいってくださいね！ (2020年7月20日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
096 - はしもんさん» ありがとうございます！オリジナルも楽しんでください！ (2020年7月20日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：096 | 作成日時：2020年6月20日 13時
