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88話 ページ39

『……今朝の夢』

「ん?」

『昔の夢を見たんです。昔っていっても、去年の出来事ですけど…。唯一、何でも話せる友人が、俺を庇って死んだんです』
 

そっと、手が退けられた。
 
目を合わせずに、俺はポツポツと話す。



『小学生の頃、俺はストーカー被害にあっていて、両親は逆上したストーカーから俺を庇って刺殺されました』
 

安室さんは黙って俺の話を聞いていた。



『俺の代わりに、みんないなくなる。だから、守ろうとしないでください』
 

守られるより、守る立場に。
 
その一心で俺は警察になった。
それなのに、結局俺は守られて、大事な人を失った。



「それは無理なお願いですね。僕の仕事は、守る仕事だから。もちろん、黒瀬さんのことだけじゃないですけどね」
 

探偵だから…?
それとも…。



「貴方は人に頼るのが苦手なようだから、こうして無茶をするんでしょう。僕個人としては、貴方を守りたいわけじゃない。もっと傍で頼って欲しいです。守る守らないの関係ではなく、平等でいたいんですよ」
 

この人は、どこまで優しいんだろう。
 
本心なのか、それとも安室透として言っているのか真意は掴めないけれど、悪い気分じゃない。
 

俺は彼を守りたいと思った。
支えたいと思った。
 
だけど彼は平等でいたいと言った。



「…貴方は、結構泣き虫ですよね」
 
気付いたら、涙が零れ落ちていた。
 
それを指で拭って彼は笑う。



「帰りましょう、僕達の家に」
 


この世界にも、俺の居場所があるんだ。
ここにいていいんだ。
 
彼の傍に、いてもいいんだ。




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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 男主   
作品ジャンル:アニメ
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鹿野ユズナ(プロフ) - いえ、お力になれたようでよかったです! (2019年4月25日 11時) (レス) id: f48090b258 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 鹿野ユズナさん» コメントありがとうございます!恥ずかしながら、ずっと勘違いしておりました…。次回から気をつけます!ご指摘本当にありがとうございました! (2019年4月21日 21時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
鹿野ユズナ(プロフ) - こめかみ、漢字変換が全てお米の神様になってます………… (2019年4月21日 5時) (レス) id: f48090b258 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 大福さん» コメントと嬉しいお言葉ありがとうございます!これからも読みやすく楽しい小説を目指して頑張るので、よろしくお願いします! (2019年3月13日 20時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
大福 - 楽しく、読みやすいです。続きが気になります!次の更新楽しみに待ってます。 (2019年3月12日 16時) (レス) id: 2b112b86de (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:096 | 作成日時:2019年2月11日 21時

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