53話 ページ4
安室さんが、組織のメンバー…【バーボン】。
やっぱりそうなんだ。
安室透は、黒ずくめの組織の人間。
それならば、全てが繋がる。
彼が組織を知っていることも
俺が組織を知っていることに多少動揺を見せていたことも
あの場にベルモットがいたことも
赤井さんとの関わりがあることも
時々見せる、安室透ではない別の顔も。
でも、それでも少し信じきれない。
俺が知る限り組織の人間は冷酷非道で、犯罪なんて息を吸うように犯す。
でも彼は…。
『安室透が何者なのか、赤井さんは知っていますよね』
目を伏せて、バーボンを煽る彼をじっと見つめる。
「……いや、詳しくは知らん。だが、彼にとって君の存在が大きなものなら、いずれ知ることになる」
俺が安室さんに感じていた親近感。
もしかすると彼も…俺と同じ…。
そこまで考えに至って、そうならいいと思った。
彼は優しい。
全てが真っ黒とは思えない。
もし本当にそうならば、俺は彼を守りたい。
彼の秘密を、彼自身を。
この世界で俺にできることなんて、ないかもしれない。
でも、守られるのはもう嫌だ。
もう、あのときみたいに…。
『コナンくんは安室さんのこと…』
「ボウヤも知らないようだ」
じゃあ、俺が憶測でも余計な口出しをしたら物語がずれてしまうか。
グラスを手に取りバーボンを煽る。
酒を飲むのは何年ぶりだろうか。
体に染みる…。
『っ、はぁ…』
「いい飲みっぷりだ。どんどん飲むといい」
『赤井さん、すっかり俺のこと信用しているみたいだけど、いいんですか？』
「非現実的な話だが、君が嘘をついているようには見えない。ここに来て、俺達を引っ掻き回そうとしているとも思えない。君は自分の立場をよく理解している」
さすが、FBIの切れ者。
彼に話してよかった。
「夜も遅い。今日は泊まっていくといい。この町は何かと物騒だからな」
『それは充分理解してる。でも、いいのか？』
「部屋はたくさんある。好きに使って構わんよ」
空になった俺のロックグラスに酒を注いで、赤井さんはタバコを吹かす。
『赤井さんの家じゃないでしょうに』
クスクス笑って酒を煽ると、彼も微かに笑った。
この世界に来て本当のことを話せて、ようやくリラックスできた気がする。
今まで国のために頑張ってきたんだ。
自由に生きるご褒美くらいもらってもいいだろう。
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鹿野ユズナ(プロフ) - いえ、お力になれたようでよかったです！ (2019年4月25日 11時) (
レス) id: f48090b258 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 鹿野ユズナさん» コメントありがとうございます！恥ずかしながら、ずっと勘違いしておりました…。次回から気をつけます！ご指摘本当にありがとうございました！ (2019年4月21日 21時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
鹿野ユズナ(プロフ) - こめかみ、漢字変換が全てお米の神様になってます………… (2019年4月21日 5時) (レス) id: f48090b258 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 大福さん» コメントと嬉しいお言葉ありがとうございます！これからも読みやすく楽しい小説を目指して頑張るので、よろしくお願いします！ (2019年3月13日 20時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
大福 - 楽しく、読みやすいです。続きが気になります！次の更新楽しみに待ってます。 (2019年3月12日 16時) (レス) id: 2b112b86de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：096 | 作成日時：2019年2月11日 21時
