52話 ページ3
『探偵じゃないよ。ミステリーが好きで、よくドラマとか見てただけ』
にこりと、笑みを浮かべると、呆れたように俺を見るコナン。
「黒瀬さんは嘘つくときに猫被るね」
『ふふ、そんなことないよ』
最後の一口を食べ終え、食器を持って立ち上がる。
食器を水で浸していると、赤井さんが背後から空の皿を持ってきた。
「黒瀬くん、酒は飲めるか?」
『まぁ、飲めなくはないけど』
「なら、一杯付き合ってくれないか?」
赤井さんが出したボトルはバーボン。
まぁ別に、もう潜入捜査官ではないし、酒を入れても問題ないか。
『わかった、付き合うよ。でも、酒で俺の口から何か聞き出そうとしても無駄だよ?俺、割と強いから』
「そんな無粋なことは考えていないさ。ただ、誰かに付き合ってもらいたい気分でな」
「僕はもう帰るよ。蘭姉ちゃんが近くまで迎えに来てくれてるみたいだからさ」
『そう。気をつけるんだよ』
「はぁい!じゃあまたね!」
手を振って、コナンは家を出て行った。
赤井さんがキッチンからロックグラスとボトルを持って机に置く。
『みんな、バーボン好きなのか…?』
「俺は好きだが、何故?」
『…安室さんにも聞かれたんだ。バーボンは好きかって』
「……そうか」
考え込む赤井さん。
コナンの世界での酒といえば、組織のコードネームでもある。
あの時、安室さんは何かを探ろうとしていた。
彼は、俺が組織について知っていることを知っている。
バーボンというコードネームを持つ組織のメンバーがいたとしたら…?
『赤井さんは、組織にいたときコードネームはあったんですか?』
「ああ、一応な。ライ、というコードネームだった」
バーボンじゃ、ない。
そもそもどうして、私立探偵が組織を追っているのか。
どうしてFBIの赤井さんが、ただの私立探偵である安室さんを知っているのか。
バーボンが注がれたグラスの中の氷が、カランと音を立てる。
『バーボンは、安室さん?』
そう呟くと、赤井さんはピクリと反応した。
「…君は本当に、頭がよく働く」
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鹿野ユズナ(プロフ) - いえ、お力になれたようでよかったです! (2019年4月25日 11時) (レス) id: f48090b258 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 鹿野ユズナさん» コメントありがとうございます!恥ずかしながら、ずっと勘違いしておりました…。次回から気をつけます!ご指摘本当にありがとうございました! (2019年4月21日 21時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
鹿野ユズナ(プロフ) - こめかみ、漢字変換が全てお米の神様になってます………… (2019年4月21日 5時) (レス) id: f48090b258 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 大福さん» コメントと嬉しいお言葉ありがとうございます!これからも読みやすく楽しい小説を目指して頑張るので、よろしくお願いします! (2019年3月13日 20時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
大福 - 楽しく、読みやすいです。続きが気になります!次の更新楽しみに待ってます。 (2019年3月12日 16時) (レス) id: 2b112b86de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2019年2月11日 21時