68話 漆黒の特急 ページ19
『っ…!なんで…っ』
安室さんは無事なのだろうか…という焦りに駆られ、俺の腕を掴んで前を走る赤井さんに声を荒げる。
「威力は強いものじゃない。大丈夫だ。それよりも、彼を見極めることが出来たか?」
『……ああ。やっぱりあの人は、俺と同じだよ…』
あの手榴弾は貨物車とこちらの連結を爆破させ、切り離すためのもの。
背後から、大きな爆発音が聞こえた。
切り離された貨物車が爆発したんだろう。
「これも、ボウヤの策だ。問題ない」
『コナンくんの…。でも、じゃああれは誰が…』
一体、誰が変装していたんだろうか。
「それはボウヤに聞くといい」
『…赤井さん、これ、ありがとうございました』
6号車まで走り、立ち止まると、拳銃を返した。
「渡しておいてあれだが、使うことがなくてよかったよ」
『危うく、あんたを撃ちそうだったけどな。気配消して背後から近づくんだもん』
「見事な構えだった。一般人にしておくのは惜しい」
『FBIには入りませんよ。俺は日本のものだから。例え世界が変わってもね』
赤井さんはそれを聞いて満足そうに笑みを浮かべた。
・
沖矢に戻るから、と赤井さんと途中で別れ、前方車両に向かったとき、列車は近くの駅に停車した。
列車を降りて、コナンたちを探していると、金髪のサングラスを掛けた女を見つけた。
ベルモットだ。
彼女は後ろから降りてきた阿笠博士におんぶされ、眠っている灰原の姿を見て動揺していた。
その後ろからコナンたちも降りてきたが、どこかに電話しているようだ。
もしかしたら、灰原に変装していた人かもしれない。
もしかしたら、あれは怪盗キッドだったのかも。
下見ついでに誰かに変装して潜り込んでいるのをコナンに見破られ、協力関係を結ばれたのだろう。
これから乗客全員に事情聴取するみたいだし…。
早く帰りたいのにな。
安室さん、今日は帰ってくるんだろうか…。
ベルモットの背後で何かを話している彼をチラッと横目で見ながらも、すぐにホームを出た。
・
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鹿野ユズナ(プロフ) - いえ、お力になれたようでよかったです! (2019年4月25日 11時) (レス) id: f48090b258 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 鹿野ユズナさん» コメントありがとうございます!恥ずかしながら、ずっと勘違いしておりました…。次回から気をつけます!ご指摘本当にありがとうございました! (2019年4月21日 21時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
鹿野ユズナ(プロフ) - こめかみ、漢字変換が全てお米の神様になってます………… (2019年4月21日 5時) (レス) id: f48090b258 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 大福さん» コメントと嬉しいお言葉ありがとうございます!これからも読みやすく楽しい小説を目指して頑張るので、よろしくお願いします! (2019年3月13日 20時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
大福 - 楽しく、読みやすいです。続きが気になります!次の更新楽しみに待ってます。 (2019年3月12日 16時) (レス) id: 2b112b86de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2019年2月11日 21時