895話 ページ46
「え、えっと…黒瀬さん、一応事情聴取をさせてもらってもいいですか…」
『あー…はい。そうですよね。今行きます』
立ち上がろうとするも、足がしびれていてよろけてしまう。
『お…っと』
それを支えてくれたのは零さんだった。
「僕が連れていきます」
安室透の顔に切り替えた彼が、俺の体を横抱きにする。
「えっ、は、はい!外に車が来てるので…っ!」
駆け付けた警察が中にいる誘拐犯3人を連行していく中、安室さんに抱っこされながら外に出る。
どうやら俺が監 禁されていたのは、なんの変哲もないマンションの3階だったらしい。
よく見つけてくれたものだ。
『はは…』
やっぱり運命なんだな、と思ってしまう自分の思考に笑みが漏れた。
「…どうしたんですか、急に」
『…いや、好きだなって』
心からの素直な気持ちを口に出すと、零さんは驚いたように目を見開いた後、照れを隠すかのように目を逸らした。
『…ありがとう。見つけてくれて』
「――…見つけるさ。どこにいたって」
優しい笑みに、今度は俺が照れる番。
彼の首に腕を回して強く抱き着く。
「え…えっと…大丈夫なの?黒瀬くん」
佐藤刑事の戸惑いの声が聞こえた。
「ええ。少し疲れているみたいですが」
「そう…。…事情聴取、あとにする?」
『…いえ。大丈夫です。……佐藤刑事、巻き込んでしまってすみませんでした』
安室さんに抱き着いたまま、佐藤刑事に目線をやる。
「いいのよ。あの状況なら、あれが最善だった。こんなに迅速に対応できたのも、貴方のおかげよ。さ、乗って」
佐藤刑事が愛車の赤色のRX‐7の扉を開ける。
安室さんは後部座席に俺を下ろしてから、佐藤刑事を見やった。
「僕も、一緒に行ってもいいですか」
「ええ、もちろんよ。乗って」
了承を得て、俺の隣に座る安室さん。
そんな彼の肩に頭を預けて寄りかかる。
「…随分と甘えてきますね。そんなに怖かったんですか?」
『あの程度で怖がるかよ。…寂しかっただけ』
それに、…少し疲れた。
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096 - はしもんさん» ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2020年4月21日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
はしもん(プロフ) - 898、899話更新お疲れ様です! これからもずっとずっと、応援させてください(´˘`*) 大好きです!! (2020年4月20日 14時) (レス) id: 3a59eb0a02 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 稲荷さん» はじめまして!嬉しいお言葉ありがとうございます!このコメントを読んでから私も改めて“さだめ”を聴いたら、確かに…!となりました!曲を聴いて2人を思い出してくれるなんて嬉しいです!これからも応援よろしくお願いします! (2020年4月20日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
096 - くれはさん» まだ終わりません…!(笑)どうぞお楽しみに…!! (2020年4月20日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
096 - はしもんさん» 一難去ってまた、という感じですね!いえいえ!私も話数ミスがあったので、修正しました! (2020年4月20日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2020年3月22日 22時