894話 ページ45
「警察だ!動かず大人しくしてろ!」
高木刑事が警察手帳を見せると、残りの2人も大人しくなった。
その間に零さんは拘束されていた俺の手足の麻縄をほどく。
『はー、ずっと縛られてたから痺れてる。しばらく痣残りそうだし…』
手首には紫色の痣ができかかっていた。
『それにしても…よくわかったね。この建物のこの部屋って』
「白々しいな。帝丹小の屋上で風見が待機するのも見越していただろう?近くでパトカーのサイレンを鳴らせば、犯人たちは動きを見せる。この部屋のカーテンが慌てた様子で締められるのを、風見がしっかり目撃していた」
零さんなら、また風見さんを使うと思った。
『風見さんにも、ちゃんと礼を言わないとな』
「…殴られた以外、何もされてないか?」
優しく俺の頬を撫でながら、殴られた際に切れた唇の端を見つめる零さんの表情は悲痛なものだ。
『ん、大丈夫。売りに出す前はキズモノにしちゃいけないって、慎重に扱われてたよ』
挑発で殴られはしたけど。
『…でも――』
ぽすんっと零さんの体に自身の身を委ねた。
「ど、どうした…?どこか痛むのか⁉」
『――…お腹、空いた』
タイミングよく、ぎゅるるるると俺の腹の虫が鳴く。
「………お前は…本当に…」
呆れたように零さんが笑った気配がした。
「…帰ろうか」
『…うん』
「その前に、2人とも…高木刑事が困ってるよ」
コナンくんの気まずげな声で部屋の入り口を見ると、高木刑事がわずかに頬を赤らめながらこちらを見ていた。
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096 - はしもんさん» ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2020年4月21日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
はしもん(プロフ) - 898、899話更新お疲れ様です! これからもずっとずっと、応援させてください(´˘`*) 大好きです!! (2020年4月20日 14時) (レス) id: 3a59eb0a02 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 稲荷さん» はじめまして!嬉しいお言葉ありがとうございます!このコメントを読んでから私も改めて“さだめ”を聴いたら、確かに…!となりました!曲を聴いて2人を思い出してくれるなんて嬉しいです!これからも応援よろしくお願いします! (2020年4月20日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
096 - くれはさん» まだ終わりません…!(笑)どうぞお楽しみに…!! (2020年4月20日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
096 - はしもんさん» 一難去ってまた、という感じですね!いえいえ!私も話数ミスがあったので、修正しました! (2020年4月20日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2020年3月22日 22時