【名探偵コナン】異世界の訪問者18《男主》

887話 -Side降谷- ページ38

-Side降谷-





翌朝。
僕とコナンくん、そして毛利さん親子は警視庁にやってきていた。




「居場所は依然分かっていません。ですが、防犯カメラの映像から、犯人グループの割り出しは成功しました」

「どこのどいつらなんだ」



高木刑事の報告を、毛利さんが急かす。


すぐに高木刑事は3枚の写真を机に並べた。
それぞれ男の顔写真だ。





「まずこの2人、足立と橋田。2人は同じ会社で働いていたようですが、半年前に辞めています。リーダーと思われるのがこの高槻。この男は裏社会に繋がりがあり、人身売買のブローカーとして、警視庁がマークしていました」



人身売買のブローカー…。
繋がりが既にあるなら、いつでも売りに出せるのか。




「高槻が素人の足立と橋田と手を組んだのはどうして？素人と一緒に犯罪を犯すのは、結構な綱渡りのはずよ」

「それはまだ捜査中で…」



高木刑事が言いかけた時、通知音が響いた。






「配信来ました！」


佐藤刑事の声に、その場にいた全員がテレビ画面に注目した。



映し出されたのは昨日と同じく椅子に縛られたAの姿。
昨日と違うのは、口に猿轡が噛まされていないこと。





《よぉ婚約者の美和子さん。金の準備は出来てるか？あんたの大事な婚約者だが、裏の金持ちどもからすでに予約殺到だぜ。今すぐにでも金に出来る。まだ金の準備ができてないなら、急いだほうがいい》



昨日と同じ男の声だ。
目出し帽をかぶっているが、おそらく彼がリーダーの高槻なのだろう。




《ほら、大事な嫁にお前からも何か言ってやれ。これが最後かもしれねぇからな》


乱暴に頭を掴まれ、Aはわずかに前のめりになる。








《……低レベルなんだよ、やってることが》



低い声で、Aはそう発した。


口調もトーンも、これは…真白のものだ。




その豹変っぷりに、そんな彼の姿を見慣れない他の人たちはわずかに驚いている。




《なんだと…？》

《単細胞どもが》




ピリつく画面の向こうの空気。




それでもAは犯人を挑発していく。






《小学生からやり直せば？》






この状況でどうして挑発なんて…。



しかも、僕以外の人も見ていると分かっているはずなのに…本性を出したのはどうして…。






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