【名探偵コナン】異世界の訪問者18《男主》

878話 -Side降谷- ページ29

「1時間程前、とある料亭から通報が入りまして…。料亭に3人の覆面男が押し入り、そこにいた北條財閥のご令嬢を身代金目的で誘拐しに来たそうなんですが…一緒にいた黒瀬さんが、自分が身代わりになるからと言って連れて行かれたらしく…」



…なるほど。

自分からついていったのか。
そのご令嬢を守るために。



Aもあの容姿だし、裏社会では物好きに高値で売れる。
誘拐犯たちもそう思ったのだろう。





「それで、犯人から何か要求は…？」

「今のところはまだ…。身代金目当てだとしても、黒瀬さんには肉親がいませんし…。最悪の事態になる前に、一番親しい間柄である安室さんに伝えに来たんです」

「犯人たちの逃走手段は？」


話を聞いていたコナンくんが割り込んできた。





「逃走手段は黒のワゴン車。店の人が車種やナンバーを控えてくれていたけど、その車は無人の状態で乗り捨てられているのがさっき発見されてね。途中で乗り換えたんだろう。ちなみにそのワゴン車は盗難車だったようで、身元の割り出しもまだ…」



自分一人だけなら逃げられると踏んで、Aは誘拐犯に自らついていったはずだ。




アジトを割り出してから逃走するつもりか…？

それとも何か事情があって逃げ出せなくなった？

薬で眠らされた…？


以前、拷問には慣れていると話してはいたが…、いずれにせよ早く助けないと。




ぐるぐると頭の中で考えていた時、高木刑事の携帯が鳴った。






「もしもし…！…はい。………ええ⁉」


少し話した後、高木刑事は驚いたように声を上げ、こちらを見た。







「犯人から連絡が来たそうです‼」






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