852話 紺青の拳 ページ3
「これは探偵のお兄さんが東京から送ってもらった、この周辺にいる中富所有の船の航路解析だよ。タンカーが1隻、予定の航路を大きく外れてる」
『このまま進めば、行先はマリーナベイ。レオンは海賊を使い、タンカーを街に突っ込ませるつもりだ。海賊を思い通りに動かすために必要だったのが、紺青の拳』
そう告げても、リシはまだ信じられないというように抗議する。
「だ、だけど海賊は警察の目を逃れ、あちこちに散らばっている。どうやって連絡したんだ?」
「マーライオンだよ。マーライオンが赤い水を吐く事件があったでしょ?世界的に報道されたから海賊の目にも留まったはず。あれがきっと、決行の合図だったんだ。でもそれより今は…」
「そうだ。早くしないと手遅れになる」
「そう言われても…僕の一存では…。警察を動かすにも、もっと証拠が必要だ」
「それじゃ間に合わない!」
「他に方法はないの⁉」
「そうだ、ジョンハン・チェン氏に相談しよう。彼なら軍や警察にも顔が利く。きっと力を貸してくれるはずだ」
そう言ってリシは急いで駆け出していく。
「リシさん、もうひとつだけ」
そんな彼をコナンが引き留めた。
「なんだい?」
「計画通りにタンカーが街に突っ込んできたら、その時レオンさんはどこにいると思う?」
その質問の裏に隠れた意図に気付き、リシの挙動を見逃さないように気を張る。
「そうだな…。先生は慎重な人だから、どこか遠くで見物するだろうね。もしかすると、もう国内にはいないかもしれない。じゃあ、急ぐから!」
「分かった。ありがとう」
慌ててこの場を去っていくリシの背に、コナンが告げる。
「…Aさん」
去っていく彼の背を見つめながら、コナンが俺を呼んだ。
『…嘘だよ。あのレオンがそんな人じゃないことは、少ししか接触してない俺たちでも分かることだ』
なぜ、彼が嘘をついたのか。
ここまで分かれば、答えはもう簡単だ。
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096 - はしもんさん» ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2020年4月21日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
はしもん(プロフ) - 898、899話更新お疲れ様です! これからもずっとずっと、応援させてください(´˘`*) 大好きです!! (2020年4月20日 14時) (レス) id: 3a59eb0a02 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 稲荷さん» はじめまして!嬉しいお言葉ありがとうございます!このコメントを読んでから私も改めて“さだめ”を聴いたら、確かに…!となりました!曲を聴いて2人を思い出してくれるなんて嬉しいです!これからも応援よろしくお願いします! (2020年4月20日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
096 - くれはさん» まだ終わりません…!(笑)どうぞお楽しみに…!! (2020年4月20日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
096 - はしもんさん» 一難去ってまた、という感じですね!いえいえ!私も話数ミスがあったので、修正しました! (2020年4月20日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2020年3月22日 22時