867話 ページ18
躊躇いもなく鍵を開けて、家の中に入る。
「あ、おかえりなさい、降谷さ――…って、黒瀬さん!」
家主が帰ってきたと思っていたらしい風見さんは現れた俺に驚いたようだ。
『こんばんは、風見さん。…もしかして、俺と零さんがいない間、ハロの世話を?』
「はい。降谷さんに頼まれまして」
『その降谷さんは、もしかしてまだ仕事から帰って来てないの?』
「いえ。先日まで溜まっていた業務はすべて終えられて…。今は緊急の招集に。でも、もうすぐ帰ってくると思いますよ」
『そう。……俺のこと、何か言ってた?』
怒っているのでは…とおそるおそる風見さんに尋ねる。
「え、ええ…まあ。最初はしばらく帰れないと突然連絡がきたことに少しピリピリしていましたが…。翌日にはすっかり落ち着いてました。何があっても、ちゃんと帰ってくると信じているから大丈夫、とおっしゃっていましたよ」
『っ…』
きゅっと胸が締め付けられる。
ちゃんと、信じてくれているんだ、零さんも…。
「休憩のたびに、黒瀬さんから連絡がないかとスマホを見つめている姿は、いつもの降谷さんからは考えられないような…、なんというか…主人を待つ犬のようでした」
『はは、上司を犬扱いするなんて、風見さんは結構度胸あるんだね』
「はっ…!い、今のは降谷さんには内緒にしてください…っ!」
『…ハロのお世話をしてくれたことに免じて、内緒にしてあげるよ』
足元に擦り寄ってきたハロを抱き上げて優しく撫でる。
「…黒瀬さん、今まで何を?怪我もしているようですし…僅かですが、硝煙の匂いも…」
やっぱり、あの爆発の中でついた匂いは誤魔化せないか。
『ああ、これは――……あ。帰ってきた』
「え?」
近づいてくる彼の気配を感じ、玄関に向かった。
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096 - はしもんさん» ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2020年4月21日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
はしもん(プロフ) - 898、899話更新お疲れ様です! これからもずっとずっと、応援させてください(´˘`*) 大好きです!! (2020年4月20日 14時) (レス) id: 3a59eb0a02 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 稲荷さん» はじめまして!嬉しいお言葉ありがとうございます!このコメントを読んでから私も改めて“さだめ”を聴いたら、確かに…!となりました!曲を聴いて2人を思い出してくれるなんて嬉しいです!これからも応援よろしくお願いします! (2020年4月20日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
096 - くれはさん» まだ終わりません…!(笑)どうぞお楽しみに…!! (2020年4月20日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
096 - はしもんさん» 一難去ってまた、という感じですね!いえいえ!私も話数ミスがあったので、修正しました! (2020年4月20日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2020年3月22日 22時