【名探偵コナン】異世界の訪問者18《男主》

866話 ページ17

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「今回は、坊ちゃんにご協力してくださり、本当にありがとうございました」




日本に到着し、空港内の人気のない場所でスーツケースから出された俺は、寺井さんに深々と頭を下げられた。




『坊ちゃんに巻き込まれるのは、慣れたことだから大丈夫ですよ。それより、早く迎えに行ってあげてください』


きっと今頃――…蘭が事前に呼んでいた警察に追い回されているだろうし。





「しかし、黒瀬様を自宅の近くまで送るようにと申し付けられておりますので…」

『タクシー拾うので、大丈夫です。今度また文句を言わせてほしいって、快斗に伝えておいてください。それじゃあ』



まだ何か言いたげだった寺井さんを残して、その場を去る。





やはり警察が駆け付けてきていたらしく、空港内は騒然としていた。


快斗のことだ。
うまく逃げられただろう。



最後にした俺の忠告の意味を、快斗は知っただろうし…俺もあとで文句言われるかもしれないな。




それよりも…今は自分の心配だ。

帰ったら間違いなく説教が待っている…。



シンガポールのあの大事件は当然のように日本でも大きく報道されているようだし…。

俺が少なからず関わっていることを、零さんは察しているだろう。



海賊にナイフで頬を切り付けられ、ガーゼを貼っているし。
大した怪我ではないけれど。


むしろ、あんな出来事に巻き込まれてこの程度の怪我で済んだことが奇跡だ。

帰りたくない気持ちと早く会いたい気持ちがぶつかり合うが、やはり勝るのは会いたい気持ちだ。




空港には見合わない身軽な格好のまま外へ出てタクシーを拾う。






そのまま真っすぐに家に帰ったのだが…。





『…あれ？』


家の中に感じる気配は、零さんのものではなかった。







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