850話 紺青の拳 ページ1
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「電話の話は本当なのか?今起きているすべてが、レオン先生の企てだなんて。僕にもわかるよう説明してほしい」
夕日に照らされたマーライオンパークの桟橋で待ち合わせをし、リシは開口一番に問い詰めた。
説明を始めたのは新一に扮したキッドだった。
「発端はジョンハン・チェンが見つけたブルーサファイア、紺青の拳。彼はそれを空手トーナメントのベルトにはめ込み、優勝者に進呈するとした」
「レオンさんはジャマルッディンさんを出場させ、宝石を手に入れようとしたんだよ」
子供らしく補足をするコナンの後にキッドが続ける。
「ところが、思わぬ横やりが入った。空手400戦無敗、京極真の大会エントリーだ。彼を招待した者、それが殺害されたシェリリン・タンさん」
「ど…動機がそうだとしても、レオン先生にはアリバイがある。彼女が刺されたとき、別のエレベーターに乗ってたんだから」
「真相はこうさ。レオンとプールサイドで会った後、彼女は自分の部屋に戻るためにエレベーターに乗った。だが、彼女が宿泊していたタワー3の部屋は16階。ホテルの構造上、34階で必ず乗り換えなければ戻れなかった。彼女は自分の部屋に戻る途中に、別の部屋へと連れ込まれてしまった。秘書、レイチェルによって」
キッドの推理にリシは動揺を見せる。
「レイチェルが共犯者?まさか…」
『レオンがその日、プールサイドの宿泊者専用のレストランに入るためだけに取った部屋は34階。降りてきたレオンは、その部屋でシェリリンさんを刺殺。遺体をトランクに入れ、シェリリンさんに成りすましたレイチェルさんとレオンは別々のエレベーターに乗った』
「トリックに使われたのは、マジックナイフの一種だろうな。ただし、血はシェリリンさん本人のもの」
『刺されたフリをしたレイチェルさんは倒れる。その直後…地下駐車場で爆発が起こり、ショッピングモールはパニック状態に陥った。レオンは現場保存のためと、死体のフリをしているレイチェルさんに布をかける。人気がなくなったころ、レオンの合図で起き上がったレイチェルさんは背中のナイフを外し、外へ出た。レオンはスーツケースからシェリリンさんの遺体を取り出し、床に寝かせ、布をかけ直した』
「すべては、爆発による停電の中、人知れず行われた」
「そ…そんな…」
俺とキッドの推理にリシは息を呑んだ。
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096 - はしもんさん» ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2020年4月21日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
はしもん(プロフ) - 898、899話更新お疲れ様です! これからもずっとずっと、応援させてください(´˘`*) 大好きです!! (2020年4月20日 14時) (レス) id: 3a59eb0a02 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 稲荷さん» はじめまして!嬉しいお言葉ありがとうございます!このコメントを読んでから私も改めて“さだめ”を聴いたら、確かに…!となりました!曲を聴いて2人を思い出してくれるなんて嬉しいです!これからも応援よろしくお願いします! (2020年4月20日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
096 - くれはさん» まだ終わりません…!(笑)どうぞお楽しみに…!! (2020年4月20日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
096 - はしもんさん» 一難去ってまた、という感じですね!いえいえ!私も話数ミスがあったので、修正しました! (2020年4月20日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2020年3月22日 22時