【名探偵コナン】異世界の訪問者18《男主》

856話 紺青の拳 ページ7

「最初に疑問を持ったのは、現場に残されていたキッドの予告状だ」

「警官が予告状に気付いたのは、リシ、あんたが現場に到着してすぐだったよな？」

『そして、アーサーくんがさっき、レオンはどこにいるか聞いた時、お前への疑いは決定的になった』

「何…⁉」

「レオンさんほどの自惚れの強い人が、計画達成を目前にして海外に逃げるわけがない。きっと一番見晴らしのいい場所で見物しているはず。そのことにあんたが気付かないはずがない！」


コナンの言葉にリシはハッとし、そして態度を変えた。



「驚いたな。あれは僕を試したんだな」

「すべては5年前。お父さんの事故が計画の始まりだったんだね」



コナンが話し出したのは俺もキッドも聞かされていなかった話だった。

リシの家に泊まった時に調べたのだろう。



「海洋学者殺し否認の容疑者、一転して罪を認める。確か…」


コナンは中富へ振り返った。


それだけで大げさに怯える中富。




「中富さんがシンガポールを訪れたのも、5年前だったよね」

「い、いや…俺は…」

「犯人をレオンさんが捕まえ、シェリリンさんが弁護し、有罪を認めさせた。ただの偶然だとは思えない」

『なるほど。中富海運が所有するタンカーを手に入れるための、罠だったってわけね』



殺害された海洋学者というのが、リシの父親。

そんなに前から、レオンはこの計画を立てていたのだろう。

そして利用できるものをなんでも利用してきた。




「すべては仕組まれていたんだ。そしてもうひとつの罠があったことに…あんたは気が付いたんだろ？」


コナンは再び目線をリシに戻した。




「…僕も最初は事故だと思っていた。だが…親父の遺品整理をしていて気づいたんだ。親父は海底遺跡を調査中、偶然、海賊王の証、紺青の拳が眠っている可能性の高い沈没船を発見したんだ。だからまず親父を殺害したんだろ！先に宝石を引き上げさせないためにな！」




リシの追及にレオンはグッと唇を噛み締めた。





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