【名探偵コナン】異世界の訪問者18《男主》

883話 -Side降谷- ページ34

しばらく真っ暗な画面のあと、パッと画面が切り替わる。



「…っ」

「Aさん…！」



そこに映し出されたのは、手足を椅子に拘束された状態で座らされ、布のようなもので目と口を塞がれたAの姿だった。




「これ、生配信…ではないようね…」

「さすがに、生配信して余計な情報をこちらに与えてしまうリスクは避けるでしょう」



Aが余計な行動をしないとも限らない。


でも、Aだってそれくらい分かっているはずだ。
だから、犯人たちにも気づかれないように何か仕掛けようと企んでいるはず…。





《見えてるか？婚約者さんよ。見ての通り、お前の男はまだ無事だ。だが、余計な真似をしたら、分かってるな？》



Aの背後に回った目出し帽をかぶった男が、見せつけるようにナイフをAの首元に近づける。



犯人にAを傷つける意思はない。
傷物にしたら、裏に回すときに値が下がってしまう可能性があるからだ。


だが、Aの肌には古傷が多い。
刀傷や銃痕…特に心臓真上の銃痕は、位置的に見られたら不審がられる。

…いや、そういう変わった趣味の物好きもいるか…。

いずれ悠長にはしていられない。






《今回の配信は、こいつの無事を伝えるためだ。だが、明日にはどうなってるかわからねぇからな。さっさと1億用意して救い出してやるんだな。じゃあ、また明日の朝、配信するぜ》



それだけ言って、配信は終わった。







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