797話 紺青の拳 ページ48
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高架橋の下を出てマーライオン広場を歩いていると…。
「毛利さん?」
褐色肌で糸目の青年が毛利さんに日本語で声をかけた。
「毛利小五郎さんでいらっしゃいますか?」
「あ?ええ…」
「予備警察官のリシと申します!お会いできて光栄です!」
身分証を出し、嬉しそうに毛利さんに握手を求めるリシという青年。
毛利さんは戸惑いながらもその手を握り返した。
「えっと…予備警察官?」
「はい。犯罪行動心理学の専門家として、特別に捜査のお手伝いをさせてもらっています」
「あ、そうですか……」
毛利さん…全く興味なさそうだな…。
そんな毛利さんに構わず、リシが「実は…」と切り出した。
「毛利さんが入国されたとの情報を得て、お待ちしていたのです」
「待ってた?」
「はい。観光客の多くはここに来ますから。ここで待っていたら、きっとお会いできるだろうと」
「どうして俺を?」
「実は、毛利探偵の力をお借りしたい事件が起こりまして」
深刻そうな顔でそう言うリシだったが、毛利さんは持っていた扇子を閉じて横に振った。
「あ〜、だめだめ!俺は今休暇中なの!」
断った毛利さんだったが、突然キッドがそんな彼に何やら耳打ちしだす。
そんな彼の姿を、蘭が不思議そうに見つめていた。
あんまり積極的に動けば、蘭にバレるかもしれないんだから気をつけろよな…。
キッドに何を吹き込まれたのか、毛利さんは一転してリシに協力すると言い出した。
さらに、リシの父親は日本人らしく、父の母国のヒーローでもある毛利探偵に協力してもらえるなんて光栄だと煽てられ、毛利さんもすっかり上機嫌だ。
「で、事件というのは?」
「実は、ある実業家の下にこんなものが届きまして」
そう言ってリシは、スマホの画面を俺たちに向けた。
そこに写っていたのは…。
「怪盗キッド!」
「キッド様!」
キッドマークの入った予告状だった。
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096 - ロマンス細胞さん» いえいえ!こちらこそこめんとありがとうございました!告白もありがとうございます(笑) (2020年2月13日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
ロマンス細胞(プロフ) - 096さん» 返信ありがとうございました!(´;ω;`)めっちゃ好きです←(突然) (2020年2月12日 22時) (レス) id: 3aaa867c85 (このIDを非表示/違反報告)
096 - ロマンス細胞さん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!これからも頑張ります! (2020年2月12日 21時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
ロマンス細胞(プロフ) - 最高です。これからも頑張ってください!!楽しみに読んでます。 (2020年2月12日 20時) (レス) id: 3aaa867c85 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 赤の他人さん» ありがとうございます!これからも楽しんでいただけるように頑張りますね! (2020年2月10日 20時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2020年1月20日 21時