698話 ページ49
体が震える。
自分だって考えていたことだ。
“彼と離れること”を。
だけど…零さんの口からそれを言われると思ったら、怖くて仕方がなかった。
何が互いに依存している、だ。
依存しているのは、俺のほうじゃないか。
嫌気がさす。
女々しい自分自身に。
俺が嫌いなタイプの女たちと、同じだ。
そう考えるとサッと冷静になって、しがみついていた零さんの服から手を離した。
「…A?」
ビクッと彼の声に肩が跳ね上がる。
怖い。
どうして。
俺は…彼が…、零さんが、怖い…?
『っ……!』
気づいたときには、彼を突き飛ばしていた。
驚いたように俺を見る零さん。
俺も自分に驚いていた。
でもこの人は…俺が縛っていい人じゃない。
よろけながらも彼から離れるように後ずさる。
このまま傍にいたら、嫌われてしまう。
俺のこの、疚しい感情に気づかれて…。
零さんだって、離れたほうがいいと思っているんだ。
だったら、その意思を汲まないと、これからの展開にも支障をきたすかもしれない。
『わ、わかった…。俺…離れる、から…』
「…?A…?何言って――…」
『この部屋の、俺のものも…全部捨てていいから…。大丈夫だよ、俺も、零さんももう独りでも。前に戻るだけ。そうでしょ?』
「おい、何か勘違いしてないか…?僕は――…」
『もう何も言わないで…!!』
これ以上、俺を傷つけないで…。
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096 - ちぃさん» 読んでいただきありがとうございます!深く考えていただき、嬉しい限りです…!人の数だけいろんな行動の仕方があると思います。葛藤の中で得た黒瀬の決意を、これからも見守ってあげていてください! (2019年12月22日 21時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 別れたからってなにもしないのではなくて、世界を変えれないのなら影からサポートしたり守ったりするかも、、、。唯一の方法かなと思いました。 (2019年12月22日 1時) (レス) id: 13503def23 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - やっと読めました、自分ならどーするか考えました。大好きな世界の均衡を保つ為、大好きな人を守る為にも、零さんから恨まれるくらいに嫌われてから別れるかなーって。全てが終わった時にもう一度始めからやり直す選択をするかも知れないですね。 (2019年12月22日 1時) (レス) id: 13503def23 (このIDを非表示/違反報告)
096 - りんねむさん» コメントとお気遣い、ありがとうございます!一気読みお疲れさまでした!これからも頑張りますので、よろしくお願いします! (2019年12月17日 14時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
りんねむ(プロフ) - 初コメ失礼致します。ここ数日で最初から一気に読んじゃいました!とっても面白いです!無理なさらぬよう、更新頑張って下さい!陰ながら応援しております!(*^^*) (2019年12月16日 18時) (レス) id: 529938dd30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2019年11月26日 23時